オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

生きています。秘密調査などをしつつ暮らしています。今日は一日デスクワークだったので、放課後に文献などを読んでいました。実は先日に某先生から貴重な文献の一部をいただいたのです。

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お宝です。特別にお見せします。これは右から池田兵司先生、皆森寿美夫先生、塚原博先生が、中村守純先生に謹呈したドジョウ関係論文の別刷です。おわかりでしょうか?この文字は各先生の直筆です。そして当然、これらを中村先生は読んだということです。全員神です。興奮しますね?各先生が実際に触った紙なのだ、ということです。想像するだけで興奮しますね(変態)。

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それからこちら、アジメドジョウの神である丹羽彌先生のもです。これも!先生が!実際に触れたもの!!ハアハア・・・・

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実は左の方はこれまで見ていなかったもので、今回ここに丹羽先生が昭和天皇に「もっとも美味しいアジメドジョウの食べ方」を解説するという激熱エピソードが書かれていたのに気が付きました。焼き干しアジメの吸い物ということでしょうか。超絶美味しそうです。今度ふなたろう先生に再現してもらおうと思います。

 

それから右の方は、実は前にも読んだことがあったのですが、これは昭和天皇になんとかしてアジメドジョウを食べてもらおうと丹羽先生が奮闘する話で、超絶面白いです。以下に部分を掲載します。

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丹羽先生のアジメドジョウ推しは半端ではありません。敗戦直後から虎視眈々と天皇陛下にアジメドジョウを食べてもらう機会を狙っており、ついに12年後に食べてもらうことに成功したのです。「これこそ天来の福音、天与の恩恵」「機はまさに熟した」ヤバいです。陛下は逃れられることはできません。作戦通り極上のアジメドジョウの「針生姜入飛騨煮」を食べていただいたのでした。
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 おまけにアジメドジョウです。アジメドジョウの学名はNiwaella delicata (Niwa, 1937)。記載者の「Niwa」はすなわちこのアジメドジョウの神である丹羽先生による記載であることを示すものです。丹羽先生はこの種をシマドジョウ属Cobitisとして記載したわけですが、後にルーマニアのNalbant博士がその形態の特異さを認めて、新属「Niwaella」を提唱しそこに移したという経緯があります。この属名ももちろん、丹羽先生を意味したものです。アジメドジョウはもちろんのこと日本固有種で、北陸・東海・近畿地方の一部にしか分布しない、美しさと高貴さを兼ね備えた国宝級のドジョウであります。

「日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑(リンク)」には内山りゅうさん撮影の美しい写真が多く載っていますので、興味をもってしまった方はぜひ見てみて下さい。

日記

学会、魚とり、飲酒の毎日のため事務仕事が滞っています。

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先週に生きたマミズクラゲをもらいました。研究用にということでしたので、一部は遺伝子解析のための無水エタノール固定標本に、一部は形態解析用にホルマリン固定標本にしました。で、一部は生かしています。実は生きたのをみたのは始めてなので感動して観察しているわけですが、これって飼えるのですかね。すぐに死んでしまうのでしょうか。クラゲと言えばクラゲなんですが、淡水にいるという点でときめきが5000倍くらい増加します。突然貯水池に現れて、突然消えて二度と現れないということも多いようです、実に不思議な生き物ですが、実に美しいです。

日記

しばらく記事を書かなくて申し訳ありません。先週に魚類学会があり、その準備などであれこれしておりました。

ということで日常。今日は調査です。今年取り組んでいる海の調査の最終回です。

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クロダイです。まさにいぶし銀!

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クロダイに少し似ていますが、キチヌです。黄色い腹鰭が特徴的ですが、背鰭の棘状も長めでかっこいいです。

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これはヘダイです。前2種に比べて顔がやや丸く、なんというか、ものっとしています。

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ヒイラギです。危うく卒業論文のテーマになるところでしたが回避した、思い出深い魚です。

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シマイサキです。久しぶりにみました。まだまだ幼魚ですね。

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上がウロハゼ、下がマハゼです。マハゼは基本的に年魚ですが、秋に向かってどんどん大きくなってきますね。産卵期は真冬です。

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ボラです。先週の魚類学会では、ボラにも隠蔽種がいるとかおそろしい発表がなされていました。

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今日いちばんうれしかったのはこの魚、ハチ、です。昆虫のハチのように刺すからこの名前がついたとか聞いたことがありますが本当でしょうか。投網でハチを採ったのははじめてです。優雅で美しい魚です。

 

日記

今日は海での調査でした。予報とは違い晴れ!良い調査日よりでした。

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素晴らしく美しい海岸の風景。大事にしたい湿地帯です。

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コバンヒメジです。ヒメジの仲間は少しカマツカに似ているので好きです。色はだいぶ鮮やかですが・・

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クサフグです。死ぬほどいました。眼が緑色に光って美しいです。

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カワハギ(上)とアミメハギ(下)です。海水魚は苦手ですがこのくらいはわかります。仕事としての海水魚調査はまずまず良い成果でした。

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しかし調査前から気になっていたのがこの場所・・。私のスカウターがかなりの戦闘力をたたき出しています。これは怪しい。

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これはあれがいる可能性が高い。あれが・・

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ということでいました!アレ!!クロヨシノボリです。この川では未記録です。やりました。個体数も多く、大型個体もたくさんいて、ちょっとした楽園でした。良い成果でした。

 

日記

イキテマス。先週は野外がほとんどなかったのでブログを更新する気力がわきませんでした。今日は仕事が休みだったので湿地帯に出撃しました!

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今日のバトルフィールドはこちら。某秘密情報に基づいて、探索してきました。

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そして!いました!ドジョウです。おそらく在来系統の、このあたりではかなり貴重なものです。

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今年生まれの稚魚もたくさんいました!今の所健全な生息環境のようです。

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萌えキャラもいました。アカハライモリです。

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これもわりと萌えキャラのケラです。

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今日はこぺんたさんにつきあっていただきました。真っ先にドジョウを採り、採捕数でも惨敗しましたが、大変助かりました。蒸し暑いなかどうもありがとうございました!

 

日記

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 某後輩氏に宮崎県産イセゴイをいただきました。どうもありがとうございます!いわゆるレプトケパルス型の仔魚期ですが、黄色みがあり美しいです。小さいうちは川に入って成長し、純淡水域でもみられます。しばらく飼ってみようと思います。以前飼育した時は、レプト期はアルテミアで、やや大きくなってからは生きた小魚を与えることで一年ほど生かすことができました。レプトケパルス幼生期を経るこれらの魚では、変態に伴いいったん体が縮み、また成長していくという興味深い現象がみられます。ちなみに最終的には1メートルを超える大型魚なので、最期まで飼うことはできないでしょう。

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ちなみにこれが変態後のイセゴイです。これは貴重な福岡県産。分布の中心は南西諸島よりも南なので、九州ではあまり見ることがありません。それでも九州南部ではちらほら見ますが、九州北部ではかなり珍しいです。私が知る限り、福岡県内では有明海側で1例、日本海側で2例の採集例があります。もし他にも採ったことがあるという情報があれば、ぜひ教えてください。

日記

今日も観察会でした。今年の夏休みは合計11回の観察会でしたが、これで無事終了です。天気も川もいまいちでしたが、なんとか最低限楽しくできたかと思います。

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ということでまずはムギツク。このくらいの大きさの鮮明な美しさは大変素晴らしいです。

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イトモロコ。一見地味ですが何とも言えないきらめきを感じます。

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スーパースター・カマツカもこのサイズはかわいいばかりです。

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毎年している観察会ですが、ドジョウは採れたり採れなかったり。今日はすばらしく立派なオスが採れました!命をつないでいます。

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今日採った中で一番珍しいのはこれかもしれないという、「オオキンブナ」。ウーン、怪しい。そして立派。写真ではいまひとつですが、実物は黄金色に輝いていました。

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 背鰭分枝軟条数は15?