オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

2021-01-01から1年間の記事一覧

日記

ということで今年最後の更新です。なんだかんだで更新頻度が下がってしまいましたが、それでも見ていただいた方々には感謝申し上げます。どうもありがとうございました。 2021年は論文はそこそこ出せまして(査読誌は共著含めて9報)、研究はそれなりに進み…

真正水生昆虫2021年

2021年も真正水生昆虫の研究は進展しまして、新種が5種、新記録種が3種の合計8種が日本のファウナに追加されました。以下まとめておきます。 (新種)イガツブゲンゴロウ Laccophilus shinobi Yanagi & Akita, 2021 分布:本州(三重県) ※2021年6月に新種と…

論文

Watanabe, K., Nakajima, J.(2021)The first record of Berosus (Enoplurus) spinosus (Steven, 1808) (Coleoptera, Hydrophilidae) from Japan.Elytra, New Series, 11:307-310. 共著論文です!日本から未記録であったガムシ科の一種を九州(福岡県)…

日記

地下水性ゲンゴロウ類と産地のメモ。 コツブゲンゴロウ科 ハイバラムカシゲンゴロウ(静岡県吉田町)ギフムカシゲンゴロウ(岐阜市)ムカシゲンゴロウ(京都市、兵庫県姫路市、相生市、太子町)ウワジマムカシゲンゴロウ(愛媛県宇和島市)トサムカシゲンゴ…

論文

河川の生物多様性保全を考える上で重要そうな論文2つ。 Edouard, L. ほか (2021) Effects of forest cover on richness of threatened fish species in Japan. Conservation Biology: Early View(オープンアクセス) 私があれこれ言うよりも、プレスリリー…

論文

特定外来生物アライグマが全国的に増加していて問題になっています。ということで最近に読んだアライグマ関連の論文で気になるもの2つ、メモしておきます。 Doi, K., Kono, M., Kato, T., Hayama, S. (2021) Ecological traps and boosters of ixodid ticks:…

日記

今日は出身研究室の先生&学生さんと合同での水路での魚調査でした。たくさん投網をうちました。採れた魚を少し紹介します。 カムルチー Channa argus 状態の良い大きな個体でかっこいいです!もちろん九州では外来種。しかしかっこいいです。 ブルーギル Le…

カマツカ

唐突ですがカマツカの話です。実は私はカマツカが好きなのです。 もはや国民の誰もが知っていると思いますが、念のため、日本産カマツカは2019年にこの論文によって、カマツカ、ナガレカマツカ、スナゴカマツカの3種に分類されました。唐突ですが3種を紹介し…

日記

年末に向けて怒涛の調査を続けています! 今日の調査にて、植物がはえるタイプの護岸です(上側)。隙間にカナヘビが潜り込んでいくのも見たし、従来型のコンクリートパネルよりははるかに良い。ただそこから下側、水際の処理がやはり課題。ここはもう少し何…

論文

Yanagi, T., Nomura, S. (2021) A new species of the subterranean diving beetle genus Morimotoa (Coleoptera, Dytiscidae) from Tokushima Prefecture, Japan. Elytra, Tokyo, New Series, 11 (Supplement): 87–93. 日本産ゲンゴロウ科が一種増えました…

日記

ずいぶんと間が開いてしまい申し訳ありません。いろいろと物事が動き出して、各地に調査に行ったり、観察会があったり、滞っていました。 ということで今日の観察会にて、コガタノゲンゴロウです。やはり大型の水生昆虫は迫力があり、お子様方の人気も高いで…

生物多様性保全を学ぶ本

生物多様性保全は社会的課題ということでいろいろなところで見聞きするようになり、環境問題としての重要性も認識されつつある昨今です。ではどんな本を読んだら勉強になりますか、ということをよく聞かれますので私が読んだ一般向け書籍のなかで勉強になっ…

日記

今日は調査&会議でした。会議の前に調査。 某人工湿地帯の調査。人類は高いビルもつくれるが、素晴らしい湿地帯もつくれるのです。生物多様性の保全には場を再生することがもっとも重要。私は人類の可能性を信じています。 コオイムシです。もちろん湿地帯…

日記

ということで水路に行って魚とりをしました。 そうそう、こういう水路もね、良いんですよ。護岸はされているけど底張りはしておらず、緩やかな流れがあって流心は砂泥、両脇は泥で水草や障害物があって、水質もそれほど悪くなく・・・ アリアケスジシマドジ…

日記

今日は久しぶりに観察会でした。このコロナ禍の中、多くの観察会が中止になってしまいました。今回はいろいろと対策をして、なんとか開催です。野外なのでリスクも低めではないかと思います。 美しい風景! オヤニラミです。捕まえた女子は大喜びしていまし…

日記

金曜日~月曜日まで、日本魚類学会ウェブ大会が開催中です。代議員なので総会に出席したり、あるいはポスター発表の審査などにかかわったりしておりますが、肝心の研究発表は共同のものが一つのみと芳しくありません。。もっとがんばりたいです。でもいろい…

日記

ココナッツが売られているのをみつけたので買いました。300円くらいでした。本県は新型コロナ緊急事態宣言で遠出もできず、ポン氏も興味深そうだったので何か楽しそうなものを。ちなみに私はこうした実から食べたり飲んだりしたことはありません。 外側をざ…

日記

私は身のまわりの湿地帯生物を捕まえるのが小学生の時から大好きで、そのままここまできたような研究者ですが、その技術を発揮して進めた研究の一つが九州の淡水魚類の分子系統地理研究です。ご存じの通り私は遺伝子は専門ではありません。しかし特に九州と…

論文

Miyake, T., Nakajima, J., Umemura, K., Onikura, N., Ueda, T., Smith, C., Kawamura, K.(2021)Genetic diversification of the Kanehira bitterling Acheilognathus rhombeus inferred from mitochondrial DNA, with comments on the phylogenetic rela…

書評

保科英人「近代華族動物学者列伝」勁草書房 www.keisoshobo.co.jp 著者は昆虫分類学(土壌性のコウチュウ目)を専門としており、文化としての昆虫学(文化昆虫学)や科学史についても多くの著作がある多彩な研究者です。 内容は明治期~昭和初期に活躍した華…

論文

Okada, R. (2021) First record of Hydroglyphus geminus (Coleoptera, Dytiscidae) from Japan. Elytra, New Series, 11: 187–188. 日本産ゲンゴロウ科に一種増えました。対馬からオウシュウチビゲンゴロウHydroglyphus geminusが初記録です。本論文ではあ…

日記

前回の続き です。ということで2日糞を出させたイナゴを調理しました。ポン氏とR君とK君がメイン調理者です。イナゴと一緒にトノサマバッタ、ツマグロバッタ、エンマコオロギがいたのですが、ツマグロバッタは1日でほとんど死んでしまいました。乾燥に弱いと…

日記

色々と滞って更新も滞っていました。気づいたらオリンピックは終了しており、ワクチンは予約すらできません。今後が不安です。 今日はポン氏と近所の期待の若者R君とその弟K君と一緒に、某秘密の草原にイナゴ狩りに行ってきました。 多少雨が降っていました…

日記

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の登録が決定したとの報道がありました。この4島は私も何度も行ったことのある大変思い入れのある場所です。その素晴らしい生物多様性の価値が認められたということで、大変うれしいです。 という…

論文

Matsumoto, T., Matsuura, K., Hanzawa, N. (2021) A new species of nine-spined stickleback, Pungitius modestus (Gasterosteiformes, Gasterosteidae), from northern Honshu, Japan. Zootaxa 5005: 1–20. www.mapress.com 日本産淡水魚が一種増えました…

日記

今日も調査でした。今日は干潟に行きました。 チワラスボ(B種)です。手乗せ写真を撮ろうとして失敗しました。 この干潟にはいっぱいいました。今日は某達人と一緒だったので色々と教えてもらいました。勉強になります。ありがとうございます。 タビラクチ…

日記

今日は調査でした。 カゼトゲタナゴです。もう繁殖期は終わりです。 カムルチーの幼魚です。いわゆる雷魚、外来種ですが、カッコイイです。 ギンブナぽいですが、背鰭基底長は短く謎な個体でした。 カマツカです。相変わらず良いです。 川から森へのエコトー…

日記

今日は久しぶりに観察会でした。水田。 アカハライモリです。すっごく嫌がっている。ごめんなさい。ちびっこたちに見せてから逃がしました。イモリとヤモリの違い、鉄板過ぎるネタですがけっこうみんな知らないので絶対に言っておく必要があります。 ケシカ…

日記

今日は調査でした。 今日の湿地帯。夏。湿地帯生物がたくさんいて良かったです。 チュウブホソガムシです!久しぶりに出会いました。まだ生き残っていてよかったです。なんとかこの先も生き残って欲しいです。 ルイスツブゲンゴロウです。美しい模様。この種…

ワンヘルス

コロナ禍の中で特に注目されている考え方が「ワンヘルス」。人と動物と環境の健康を一体で扱っていくという考え方で、色々な切り口がありますが、生物多様性保全はその柱の一つとして重視されています。 生物多様性条約のサイト内のこのページ www.cbd.int …