オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Ooyagi, A., Mokodongan, D.F., Montenegro, J., Mandagi, I.F., Koizumi, N., Machida, Y., Inomata, N., Shedko, S.V., Hutama, A.A., Hadiaty, R.K., Yamahira, K. (2017) Phylogeography of the eight-barbel loach Lefua nikkonis (Cypriniformes: Nemacheilidae): how important were straits in northern Japan as biogeographical barriers?. Ichthyological Research: doi:10.1007/s10228-017-0597-0 (LINK)
ドジョウ界待望?のエゾホトケドジョウの詳細な分子系統地理論文が出ました。素晴らしいです。本論文ではこれまでその在来性が疑われていた本州・青森県の集団について、在来の可能性が高いと結論づけています。また北海道内でも地域的にかなりの遺伝的な違いがあり、特に北東部(ちょうどサロマ湖から紋別のあたり)のクレード3-1集団は驚くほど他地域のものと違いがあります。他、細かく見ていくと色々と興味深いところも・・。
普通種とはいえ各地域での進化の歩みはそれぞれ独自のものであり、分類学的に同種だからといっても、その背景や価値はそれぞれ異なることがよくわかります。個別に保全していくことが重要ですね。

ということで新たな秘密が明らかになったエゾホトケドジョウのカワイイ顔をどうぞ。
余談ですがこの論文では「日本のドジョウ」が引用されていて、これはちょっとうれしかったです。。