オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

福岡県侵略的外来種リスト2018が公表されました。PDFにて全編公開されています→リンク

表紙はセアカゴケグモ、裏表紙はブラジルチドメグサですね。いずれも特定外来生物としてはインパクトのある種です。これ以上の蔓延は防ぎたいものです。
魚類についてひとこと。本冊子7ページにあるように、今回対象種として水産有用種を除外しています。したがって、侵略性があると判断されるであろう飼育品種のコイ(ただし分類学的にはまだ日本産と同種)や、自然分布域外のヤマメとアマゴは入っていません。リストアップすらされていません。
淡水魚類の外来種問題、特に国内由来の外来種は水産資源増殖目的での他地域からの水産有用種の放流を原因とするものが多く知られています。これまではそこが別枠という考えで来たわけですが、この先はやはり水産有用種だからといって生物多様性保全を無視することはできないと考えます。そして、実際のところ内水面漁業振興法(リンク)などでも、自然環境の保全に寄与する持続的な水産業の推進が求められています。すなわち、外来種を売りにするような水産業は今後成り立たないかもしれないということも、関係者はよく考えておく必要があるでしょう。また、例え水産有用種であるとしても、外来種であるということはよく認識した上で、扱っていくべきです。今回、このリストでは外来種であっても水産有用種は外す(リストにすら掲載しない)という扱いになりましたが、もし次に更新する機会があれば、ぜひとも外来種外来種として、せめて掲載はして欲しいものです。それをどうするかは、行政的な問題として、別枠で考えていくべきでしょう。