今日の水生昆虫はトゲナベブタムシAphelochirus nawaeです。水のきれいな砂底の河川の中流域、水路などに生息します。前胸背の両角が鋭くとがっていて超絶カッコイイです。国内では東海地方以西の本州と九州北部から点々と記録がありますが、かつての水質汚濁の影響を受けたからか、現在の生息地は飛び地的で稀な種となっています。
本種はプラストロン呼吸により水中の溶存酸素を直接取り込めるため、水面に浮上することはありません。高度に水中生活に適応したカメムシであります。しかしこのプラストロン呼吸は界面活性剤により機能しなくなることから、水質汚濁には非常に弱いという側面があるようです。