オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は午後少し川に調査に行ってきました。週に一回は野外に行くキャンペーンを実施しています。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215128j:plain

まずまずの川。向かって左岸は植生が生えるタイプの護岸で、右側は従来型のコンクリートパネル護岸。左のタイプにしているだけでも、植物が生え湿った土があるので水生昆虫などは蛹になりやすく、また爬虫類や両生類などが棲む隙間もあって、まずまず良いでしょう。ちなみに「水際」は右の方が良いですが、これは川の蛇行や巨石の位置などで変わってきます。ここでは「護岸」の話をします。

護岸は何もしないほうが生態系にとっては良いですが、治水上は必要不可欠なものです。であるならば、せめて少しでも良い形につくりかえるような、例えば上の写真で言えば「右のタイプの護岸を左のタイプの護岸につくりかえるような」公共事業を100年かけて進めてはどうかと思います。もちろん「一見人工に見えない護岸」なんてのもいまの技術ではつくれるので、そうしたもっと良いものにつくりかえていく公共事業のほうがもっと良いのは言うまでもありません。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215130j:plain

ゴトウミゾドロムシOrdobrevia gotoiです。スマートでカッコイイです。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215131j:plain

クロサワドロムシNeoriohelmis kurosawai!この種は福岡県内で成虫がみられるのは6~8月にほぼ限られる季節ものです。そして県内で採ったのは久しぶりで、ちょっといやかなりうれしかったです。。4ミリを超えることもあり、日本産ヒメドロムシ科の中ではかなりの大型種。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215143j:plain

こんなん酷いね、という川です。今時ひどい。もう少し工夫の余地はあると思います。ここは筑後川水系なわけですが、こうした積み重ねが筑後川を弱らせ、有明海を弱らせ、我々の社会の持続性を危うくするのだと考えています。河川法の理念にも反しているでしょう。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215145j:plain

もう少し上流にいったところでこれもひどいです。河川法では河川管理の目的は治水・利水・環境保全としています。石をうめたことが環境保全のつもりであれば、これは意味がないです。「つもり」ではだめだと思います。税金を使った「公共」事業です。一つ一つ納税者がチェックしなくて済むように、法律があると私は思います。したがって河川行政は法律の理念をきちんと理解し、その理念を守りながら、河川整備を行うべきです。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215149j:plain

さて、気を取り直して別の環境の良い川。ヘビトンボの幼虫がいました。カッコイイ。これは伸びた状態。

f:id:OIKAWAMARU:20210615215151j:plain

こちらが丸まった状態。このまま川に戻すとコロコロと転がっていきます。たぶんそうやって流れを利用して逃げる技なのだと思います。