オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

九州の身近なアメンボについて。ちょうど知り合いの研究者の方から質問されたり、SNSでも見かけたりしたので、メモ。九州の陸水域からはアメンボ、オオアメンボ、ヒメアメンボ、ババアメンボ、ハネナシアメンボ、コセアカアメンボ、ヤスマツアメンボ、エサキアメンボ、シマアメンボ、トガリアメンボ(外来種)の10種が記録されています。また、河口や沿岸域からはナガサキアメンボ、シオアメンボ、シロウミアメンボ、ウミアメンボの4種が記録されています。このほか、外洋性のツヤウミアメンボ、センタウミアメンボ、コガタウミアメンボの3種が時々砂浜に打ちあがります。

このうち九州の平野部でもっともよく見かけるのがアメンボ、ヒメアメンボ、コセアカアメンボの3種です。

アメンボです。体長11~16mm。この3種の中ではもっとも大きく(というか本種より大きな種は九州ではオオアメンボのみ)、体が細長く脚が長いです。そしてこの3種の中ではもっとも普通にみられます。ため池や水田、公園の池などに多いです。

ヒメアメンボです。体長9~12mm。この3種の中ではもっとも小さく、脚も短いです。特に不安定な水域を好み、水たまりや水田など開けた浅い環境で多くみられます。春先は移動を繰り返しており、特に目につきます。そしてよく飛びます。すぐに飛んでいきます。

コセアカアメンボです。体長11~16mm。この3種の中では中型で、体の幅がやや広く、背面がやや赤みがかかっているのが特徴です。また、上から見ると腹部の側部に5対のよく目立つ白斑があります(矢印)。林内のやや薄暗い池や水たまりに多いです。本種によく似たヤスマツアメンボという種も、九州に広く分布していますが、この種との区別はやや難しく、オスの腹端を確認する必要があります。普通にデジカメで撮れるレベルなので、オスを捕まえて腹端を撮影しておくと、あとで同定できます。

ということで身近なアメンボ、ぜひ観察してみてください!もちろん「ネイチャーガイド日本の水生昆虫(文一総合出版)」にはいずれも掲載済みです。