オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

昨年の秋にふと近所の公園に行ったところ、その近くの水田の水路に少しだけ水がたまっていて、ドジョウがいるのを確認しました。私としたことがまったく知らなかった産地でものすごく驚いたわけですが、その時は(あろうことか)採集用具は何も持っていなかったのです。ということで後日採集しようと思っていたのですが、老化のためか完全に忘れていて、ふと気づくと年があけていました。一昨日ちょっと出張した帰りに思い出したので行ってみました。

f:id:OIKAWAMARU:20190131230302j:plain

現地につくと、昨秋に見た水たまりは完全に干上がっているではありませんか!しまった、やはりすぐ採りに来なくてはいけなかったと後悔しました。

f:id:OIKAWAMARU:20190131230303j:plain

よく見ると泥の上には干からびたドジョウが!残念すぎます。やっぱりすぐに採りに来るべきであったと後悔が倍増しました。しかし私はドジョウに詳しいのです。こういう時、ドジョウは干上がった泥の中に潜り込んで、そのまま冬を越すことができるのです。そう本に書いてありました(参考:日本のドジョウ)。そこでその辺の棒を使って掘ってみることにしました。

f:id:OIKAWAMARU:20190131230310j:plain

すると!なんと!!ミミズのような何かが出てくるではありませんか!!!

f:id:OIKAWAMARU:20190131230348j:plain

ドジョウです!生きています!!素晴らしい!!古文書にあった通りだ!!

f:id:OIKAWAMARU:20190131230351j:plain

さらに掘ると、もう一匹!!伝承の通りだ!!!

f:id:OIKAWAMARU:20190131230355j:plain

生きています。気分はすっかり天空の城ラピュタを発見して古文書の通り石碑の文字を解読することに成功したムスカ大佐です(参考:ムスカ全セリフ集)。

f:id:OIKAWAMARU:20190131230408j:plain

見たまえ、この生きたドジョウを!これこそドジョウの力の心髄なのだ!!ということで水はありませんでしたが無事にドジョウが採れました。(注:掘った後はもちろん丁寧に埋め戻しています。また掘ったのは水路の一部だけで、水田内は掘っていません。水田内には勝手に立ち入らないようにしましょう。)

f:id:OIKAWAMARU:20190131230456j:plain

歩き回るとかなり湿った場所もありました。掘りませんでしたが、きっとこの泥の中にも生きたドジョウが眠っていることでしょう。このあたりはほとんど圃場整備がされていません。したがって、水田の水を落としても湿ったままなのです。ドジョウは鰓呼吸の他に、腸呼吸や皮膚呼吸が可能です。したがって湿ってさえいれば水がなくても越冬できるのです。

近代的な圃場整備がなされると、水田の中に水抜きパイプなどをいれて完全に乾燥した畑になるような改造が施されることが多いようです。これは稲を栽培しない冬に、麦など他の作物を効率的につくるためになされます。しかしながらこれをしてしまうと、ドジョウは土壌ごと乾燥してしまい冬をこすことができないのです。九州北部の平野部にはまだ水田が多く残っていますが、ドジョウが絶滅危惧種になってしまった理由の一つがこうした圃場整備にあります。

いつまでもドジョウあふれる水田であって欲しいなと思います。ここはきっと夏にはドジョウがたくさんいるので、夏にまた観察に来たいです。良い場所を発見しました。