オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

日記

ということで2023年最後の更新となります。今年も一年間どうもありがとうございました。 2023年最大の出来事はやはり「自宅で湿地帯ビオトープ!生物多様性を守る水辺づくり(大和書房)」の出版でした。同じくビオトープを趣味とする漫画家の大童澄瞳先生に…

日記

12月締め切りの原稿が多すぎて泣きそうです。助けて・・。そんな中、今日は湿地帯に調査へ。たぶん今年最後の湿地帯。大きなカムルチーが獲れました。 しかし今日は結局目的の魚が採れませんでした。あんなにいたのに信じられない。風景は十数年変わらないの…

日記

先日は仕事で中国・上海市あたりに出張でした。ちょうど14年前でしょうか、上海近郊に魚類調査に行きました。それ以来の中国です。縁がある地域です。色々と勉強になり、楽しかったです。ということで食べた魚を少し紹介。 こちら白水魚(カワヒラ:Chanodic…

日記

今日は一日、とある調査にて各地の川を回っていました。 こちらは典型的な都市河川。何か生物多様性がもう少しでも高まる工夫はできないものかと考えます。生き物はまだ暮らしています。 こちらは改修工事中の土手にて見かけた引き抜かれて立てかけられてい…

日記

今日は湿地帯に調査。県内のとある渓流。ついでにヒコサンミジンニナを採集してきました。 何度も見たことはあるのですが、やはり知識がつくとありがたみが増す・・・。勉強が必要。殻長約1.8mm。 ちなみに近縁種にホラアナミジンニナという種がいて、この種…

日記

ここ数日はヒルについて勉強していました。福岡県レッドデータブック改定作業に伴うお勉強です。ヒルと言えば血を吸う生物という印象が強いですが、人類から積極的に吸血するヒルはかなりの少数派で、福岡県内では水生のチスイビルと陸生のニホンヤマビルの2…

論文

Okada, R., Morita, K., Toyama, T., Yashima, Y., Onozato, H., Takata, K., Kitagawa, T. (2023) Reconstruction of the native distribution range of a Japanese cryptic dojo loach species (Misgurnus sp. Type I sensu Okada et al. 2017): has the T…

日記

怒涛の調査&会議の10月を終え、今日からはデスクワーク中心に行きたいと思います。 貯め過ぎました。もうだめかもしれません。 先日に湿地帯でみつけたアシベアリヅカムシProsthecarthron sauteri様。超かっこいい。干潟に生息していて、満潮時は水没して過…

日記

10月の会議&委員会の日々はようやく終了したので、一転して湿地帯調査の日々です。今日は川。 今日はついに念願のF岡県産テングヨウジをこの手で採集したのでした!狙っていたのでうれしい~~!!かっこいい~~~!!!こんなのが川にいるというのは素敵…

日記

珍しく2日連続の日記。今日も湿地帯でした。 今日は毎月調査している湿地帯ビオトープにヒシクイがいました。鳥類調査をしているH氏によれば一週間ほど前から滞在していて、この4羽は家族らしい。思っていたよりずっと大きくて、カッコいい鳥でありました。…

日記

寝込んだりしていますが生きています。今日は県外でお仕事。 この場所は水際を保全して陸域を浚渫するという方法を行ってもらった場所。この川ではこれまでこうした方法は一切とっていなかったのですが、長らく勉強会を実施していた地域で、何度か河川部局も…

論文

新属新種の記載論文を発表しました! Watanabe, K., Nakajima, J., Hayashi, M. (2023) Nagisavelia hikarui, a new genus and species of Mesoveliinae (Hemiptera: Heteroptera: Mesoveliidae) inhabiting shingle beaches in Japan. Zootaxa, 5353:468-47…

湿地帯ビオトープの岸際の構造

おかげ様で「自宅で湿地帯ビオトープ!(リンク)」多くの方に読んでいただき、各所で湿地帯がつくられているようです。そのため質問もいくつかいただいていますが、特に岸部の構造について2つ、こちらで解説したいと思います。 まず1つ目はシート式湿地帯ビ…

日記

福岡県レッドデータブック改定作業に伴う調査やらデータ整理やらに追われています。担当分の分量が多く、果たして間に合うのか・・ そんな中、先日の某湿地帯にてようやく出会えたのがこちら。クルマヒラマキガイ!美しいです。 Watanabe & Nakajima (2021)…

日記

引き続き調査したりなんたりかんたりしながら湿地帯中心に暮らしています。今日は福岡県内の川で調査です。 ゴマフエダイ!とあるA川の河口からほど近い場所にて。いるかも~と思って網を入れたら狙い通り採れました。美しい!! こちらは別のB川にて、また…

日記

9月も中旬。予定していた調査はやはり終わらず、焦っています。今日も湿地帯。 8年ぶりに来たとある池! イトアメンボ!県版レッドデータブックの調査で、現状確認をせねばと思っていた種です。絶滅していなくて良かったです。しかし池はそう大きくはなく、…

日記

超速で8月は終わり、先週の日本魚類学会年会も終わり、日常です。 一昨日の山間の素晴らしい湿地帯でつかまえた↑個体は予想どおりチビミズムシMicronecta sedulaでした。F岡県では貧栄養気味の水質が良好な止水域がお好みと思われます。自分の知る限り2地域…

日記

夏季休暇と台風と急な豪雨と微妙な体調不良が重なって調査の予定がまったくこなせないまま、8月も28日です。遅れを取り戻すべく調査など。 素晴らしいエコトーンを伴う汽水域!生物がたくさんいます。 そんな中、見慣れないエビ。湿地帯生物愛好家を自称して…

日記

ドジョウ(在来)、ドジョウ(外来)、カラドジョウ(外来)の区別点についてよく質問があるので、図をつくりました。参考にしてください。生物というのはどうしても個体変異とかあるのと、この3つのドジョウは交雑することが知られているので、100%一致し…

日記

豪雨の影響で調査がずれこんでいます。今週は連日湿地帯。湿地帯好きでなければとても持ちませんが、幸い湿地帯中毒なので大丈夫です。 ということで、ミゾナシミズムシCymatia apparens某筋肉S氏に教えてもらった場所にて。情報ありがとうございました!県…

論文

日本産コガシラミズムシ科の総説です! Hayashi, M., Iwata, T. Yoshitomi, H. (2023) Revision of the family Haliplidae (Insecta, Coleoptera) in Japan. Zookeys, 1168: 267-294. zookeys.pensoft.net 日本産2属13種を認め、うち1種は新種、1種は日本初…

日記

いわゆる昆虫ハウスとかインセクトホテルとか言われるものをつくってみました。本当は5月につくる予定だったのですが、病に倒れたりして今日になってしまいました。 以前にポン氏と工作した鳥の巣箱が壊れて放置されていたので、これを利用しました。すでに…

日記

2020年に「ネイチャーガイド日本の水生昆虫(リンク)」という図鑑を出したのですが、それを機に「日本産真正水生昆虫リスト(リンク)」というものを作成・公開して更新し続けています。図鑑というのは非常に使いやすくて知見も広まり有用なものですが、一…

日記

東京都内某所での湿地帯調査に参加してきました。秘密任務です。ここは私が幼少時に採集をしたことがある場所です。 見た目は変わらず、都内でも貴重な素堀の水路です。水もきれいです。 ムカシツチガエルです。私が幼少時はツチガエルでしたが、近年の研究…

日記

シーズンなので連日湿地帯調査の日々です。中毒なので問題ありません。 素晴らしい渓流のエコトーン! 水路と水田と休耕田から構成される素晴らしいエコトーン! 素晴らしい干潟のエコトーン!無限とも思われる湿地帯生物が暮らしていました。 一方でエコト…

日記

ちょっと気になっていた安藤食品さんでじゅんさい鍋セットを購入して食べました。 andofoods.com ジュンサイとはご存じのとおり、水草です。展開する前の葉やつぼみなどがぬるぬるした物質で覆われています。 生のジュンサイを食べたのははじめてかも。こん…

日記

ということで今日は遠方から協働研究者が来られたので調査。ヤリタナゴです。 いくらでもいると思っていた魚ですが、ここでは明らかにこの20年で減少している。激減と言っても良いレベル。なんとか絶滅させずにつなげたい。厳しい。 オイカワ!実に良い色で…

日記

昨日・今日ととある案件に関係した魚類調査でした。久しぶりに投網たくさんうって、潜水して観察して、湿地帯成分を存分に吸収しました。 素晴らしいエコトーンを伴う堀の風景。しかしあと数年で消滅する風景。たくさんの湿地帯生物がざわざわしていました。…

湿地帯ビオトープと蚊について

某SNSを見ているとビオトープをつくると「蚊が湧く」のではないかという疑念が大いにあるようです。確かに水たまりと言えば蚊。蚊と言えばこれまでに幾多の感染症を媒介して人類をもっとも(間接的に)殺している恐ろしい湿地帯生物であることは言うまでもあ…

祝出版!

中島 淳・大童澄瞳(2023)自宅で湿地帯ビオトープ! 生物多様性を守る水辺づくり.大和書房,東京. www.daiwashobo.co.jp 新しい本を出版しました!このブログを見ている方は、オイカワ丸が庭の湿地帯を楽しんでいることを折々観測していたと思うのですが…