オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日記

先日にフナ納豆氏から「研究用に」ドジョウを送ってもらったのですが、2匹ほど余分に入っていたばかりかとてもおいしそうだったので、食べることにしました。おすすめの「ドジョウのかけ汁」をつくってみました。フナ納豆氏が詳しく作り方を解説してくれて…

論文

Watanabe, K., Tabata, R., Nakajima, J., Kobayakawa, M., Matsuda, M., Takaku, K., Hosoya, K., Ohara, K., Takagi, M., Jang-Liaw, N.H. (2020) Large-scale hybridization of Japanese populations of Hinamoroko, Aphyocypris chinensis, with A. kiku…

論文

Sakai, H., Watanabe, K., Goto, A. (2020) A revised generic taxonomy for Far East Asian minnow Rhynchocypris and dace Pseudaspius. Ichthyological Research: online first(LINK) 東アジアのアブラハヤ属、ウグイ属の属名についての分類学的な論文…

祝出版

中島 淳・林 成多・石田和男・北野 忠・吉富博之(2020)ネイチャーガイド日本の水生昆虫.文一総合出版(リンク) ついに出版となりました。感無量です。本図鑑が対象としているのは水生昆虫のうち、成虫も水生である「真水生種」、すなわちコウチュウ目と…

日記

今日の水生昆虫はマルチビガムシPelthydrus japonicusです。本州(東海地方以西)、四国、対馬から知られる日本固有種ですが、きわめて稀な種です。水質の良好な河川に生息し、水中の植物の根際や岸の砂利間から採集されていますが、詳しい生態はまったくわ…

日記

今日の水生昆虫はキイロヒラタガムシEnochrus simulansです。主に水田や浅い湿地に生息し、本州~九州ではもっとも普通の水生昆虫の一つです。角度によっては黄金色に輝き、とても美しいです。幼虫は春から秋までみられますが生活史の詳細はあまりわかってい…

日記

今日の水生昆虫はシマアメンボMetrocoris histrioです。北海道~奄美群島にかけての渓流環境で普通にみられる、日本を代表する流水性アメンボです。名前の通り美しい縞模様をもちます。成虫になっても翅がない無翅型が多いですが、写真は翅がある有翅型です…

日記

今日の水生昆虫はホソガムシHydrochus aequalisです。日本固有種で東北地方~近畿地方の本州に分布します。模式産地の京都府巨椋池は埋め立てにより消滅し、その後100年以上記録がなく絶滅も心配されていましたが、東北地方の一部で再発見されました。しかし…

日記

今日の水生昆虫はミナミツブゲンゴロウLaccophilus pulicariusです。国内では沖縄島以南の南西諸島に分布します。体長2.8ミリ前後と小型の種で、渋い系が多い日本産ツブゲンゴロウ属の中では別格の、圧倒的にわかりやすい美しさを誇る素敵な種です。詳しい生…

日記

今日の水生昆虫はトゲナベブタムシAphelochirus nawaeです。水のきれいな砂底の河川の中流域、水路などに生息します。前胸背の両角が鋭くとがっていて超絶カッコイイです。国内では東海地方以西の本州と九州北部から点々と記録がありますが、かつての水質汚…

日記

今日の水生昆虫はチビコマツモムシAnisops exuguusです。東海地方以西の本州~南西諸島に広く分布します。水面にあまり浮上せず、常に背泳ぎしながら中層で群れをつくって暮らしています。生きたミジンコ類などを捕食するものと思われますが、詳しい生態は不…

日記

発売日まで続ける予定なので、今日の水生昆虫はまだ続きます。今日の水生昆虫はアリアケキイロヒラタガムシEnochrus bicolorです。塩分のある海岸付近の湿地に生息する珍虫です。当初新種E. yukinoaeとして記載されましたが、その後ユーラシアに広く分布する…

日記

1月23日発売予定のネイチャーガイド日本の水生昆虫(リンク)が、先に手元に来ました!感無量です!!!夢のひとつが叶いました。生きていてよかったです。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました! 本体主構成は図鑑、コラム、検索です。検索はかっ…

日記

今日の水生昆虫はリュウキュウムナビロツヤドロムシElmomorphus amamiensisです。以前はムナビロツヤドロムシの亜種とされていましたが、今は種に昇格しています。奄美群島、沖縄諸島、久米島の河川に生息し、水中の岸際の植物の根の上を歩いて暮らします。…

日記

今日の水生昆虫はキボシツブゲンゴロウJapanolaccophilus niponensisです。清流に生息し、かなり流れの早い環境にも生息します。3ミリ程度と小さいですが、見ての通り黒い光沢のある背面に鮮やかな黄色斑点をちりばめたきわめて美しい種です。北海道から九州…

日記

今日の水生昆虫はハセガワダルマガムシOchthebius hasegawaiです。水しぶきのかかる岩上~ちょっと水没しそうなあたりというマニアックな環境を好みます。あまり知られていませんが、北海道~九州まで広く分布し、ちょっとした清流では比較的普通です。2ミリ…

日記

今日の水生昆虫はエグリタマミズムシHeterotrephes admorsusです。奄美群島の特産種で、日本唯一のタマミズムシ科です。水のきれいな河川に生息し、岸際の植物の根際などでみられますが、泳ぐのも得意です。頭部と前胸背が半融合しヘルメット状になっている…

論文

Watanabe, R., Matsushima, R., Yoda, G. (2020) Life history of the endangered Japanese aquatic beetle Helophorus auriculatus (Coleoptera: Helophoridae) and implicationsfor its conservation. Journal of Insect Conservation: online first (LINK…

日記

今日の水生昆虫はアカヒラタガムシHelochares anchoralisです。国内では南西諸島に分布し、水生植物が豊富な池沼や水田などでみられます。この仲間としてはやや大型(5.7ミリ)で、特徴的な下膨れの体型、そして緑がかった美しい体色から国内の同属種との区…

日記

今日の水生昆虫はセマルヒメドロムシOrientelmis parvulaです。河川中流域の流れが直接あたる岸際の植物の根で固められた垂直な砂礫の間隙というマニアックなハビタットを利用します。約1.5ミリ。美しい模様をもつ日本固有種です。 1960年代に新潟県で発見さ…

日記

今日の水生昆虫はオヨギカタビロアメンボXiphovelia japonicaです。カタビロアメンボ科はどれも微小で区別が難しいですが、本種は菱形の体が特徴的です。本種も大きさは2ミリくらいです。小河川や池沼の流れ込みなど、ゆるやかな流れのある水面で暮らします…

日記

今日の水生昆虫はマルガムシHydrocassis lacustrisです。北海道~九州の清流に生息します。すなわち流水性ですが、泳ぐのは上手ではなく、渓流の岸際の水中の落ち葉や流木などの上を歩き回って暮らしています。幼虫も同様の場所でみられます。産卵はそうした…

論文

昨年末に日本産初記録、新種の水生ガムシが3種記録されています。ということでその3報です。 Minoshima, Y.N. (2019) Taxonomic status of Enochrus vilis (Sharp) and E. uniformis (Sharp) (Coleoptera, Hydrophilidae). Insecta Matsumurana, 75: 1-18. …

謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年も湿地帯中毒をよろしくお願いいたします。引き続き湿地帯生物にまつわる日常や、論文紹介などをしていければと思っています。今年は何と言っても1月に出る「ネイチャーガイド日本の水生昆虫(リンク)」が超絶楽しみな…