湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

書評「日本のクワガタムシハンドブック」

日本のクワガタムシハンドブック
たまには書評です。昨年に出版されましたこの本は各地で好評で、いまさらここで紹介するまでもないのですが、そろそろクワガタシーズン到来ということで、ここで紹介しておきます。
文一総合出版のハンドブックシリーズはコンパクトながらマニアックな点も確実に抑えておりなかなか優れものが多いのですが、その中でもこのクワガタムシはかなりのレベルといえるでしょう。ハンドブックという体裁をとっているためページも少なめで、本土の種に絞ってありますが、その内容の濃さは一見の価値があります。こういう入門系の本では、恐ろしいほどの実力者が削りに削って1/10くらいに濃縮し、一般向けに展開したという「濃縮還元的」なものほど読み応えがあり内容も素晴らしいものです。そして、この本はまさに濃縮還元的な香りを漂わせていて、一見ハンドブックとして一切の無駄を排しシンプルに構成されているものの、見る人が見ればその端々に圧倒的な知識と経験を練りこんであることがおわかりいただけることでしょう。各種の雌の違いだとか細かいところにも手が届いており、巻末では標本作成法や外来種問題にも触れてあります。クワガタ入門用として多くの人に手にとってほしい本といえます。願わくば、南西諸島編もその2という形で出してほしいものです。
ところでこの本の著者Y氏は私の大学サークル時の先輩です。当時武闘派として知られたY氏に私は学部一年の時に八重山諸島に連行され強制労働昆虫採集のイロハを教えていただきました。思い出深く、忌まわしい懐かしい日々です・・。実はあの頃が人生の分かれ目だった気がしないでもありません。