オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

昨日無事に上海から帰国しました。海外での本格的な採集というのは初めてだったのでかなり楽しかったです。5日間だけというのも絶妙に元気が持続する日数でした。
今回の調査は、九大・東大などが中心となって今年からはじまるグローバルCOEプログラム・アジア保全生態学プロジェクトの一環で、仕事内容は今後の具体的な調査計画立案のための下調べです。とりあえず行ってみて感じたことは水域が恐ろしく広大であるということ。長江水系は九州の諸水系とも非常に関係が深く、共通種も多いのですが、九州の諸河川で生物の調査をするようなイメージをそのまま当てはめては難しいと感じました。それでも実際に現場に行ってディスカッションする中で、今後の調査法に関する展望は開けてきました。また、淡水魚類や水生昆虫類の調査・分類法など、自分の専門分野に関する部分では、これまでの知識や経験が多少は役に立ちそうで、今後が楽しみです。


一つの湖はとにかく広い。湖岸帯の水草はかなり豊富。トチカガミやコウガイモ、マツモ、ヒシ類などが目立ちました。

魚はドジョウはじめ、メダカ、ツチフキ、ドンコ、バラタナゴなど九州でも良く見かける淡水魚が豊富でした。写真はたぶんドジョウMisgurunus anguillicaudatus

そして、チョウセンブナやタウナギ、ヨコシマドンコやワタカの仲間など日本にいない淡水魚も豊富でした。とにかく種数は多い・・。写真はチョウセンブナMacropodus ocellatus

ところが水生昆虫の多様性が異常に低いと感じました。特に水生甲虫がほとんどおらず、何やら特殊な状況にあるようです。写真のは恐らくタイワンコオイムシDiplonychus rusticus
いずれにしろ九州にこだわってずっと水域の調査をしていた身としては、長江流域の淡水域というのは色々と興味深いのです。