オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

書評

増補改訂版 昆虫の図鑑 採集と標本の作り方
「増補改訂版 昆虫の図鑑 採集と標本の作り方」
鹿児島の出版社である南方新社から2005年に出ていた図鑑の改訂版で、さらに掲載種数は増加し2542種となっております。鹿児島を中心として温帯〜亜熱帯を広くカバーしているので、日本にどのような昆虫がいるのか、ということを広い視野で俯瞰できる内容です。一応入門用ではありますが、ただ網羅的に昆虫を並べているだけではなく、似通った種では区別点もさらりと書いてあり、チョウやガ、トンボなどでは幼虫についても解説してあり、さらに様々な採集法や、標本作成法の解説があるなど、役立ち度が非常に高いです。まさに一家に一冊レベルと言えましょう。著者の方々の、図鑑作成に対する熱意と昆虫に対する深い愛、そして圧倒的な実力が伝わってきます。

昆虫採集をやってみようと思ったときに、小学生向けの図鑑や生態写真中心のガイドブックでは物足りず、かといって専門的な図鑑は難しすぎて(高いし)、という相にもぴったりの内容ですね。ぜひこの本を片手に多くの人が昆虫道に目覚めてほしいです。

パラパラと読んでみて、このような図鑑が自分の小学生や中学生の時代にあったら今よりももっと虫に詳しくなっていたのになあという、残念な思いも少ししました。