オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Yoshitomi, H., Nakajima, J. (2012) A new species of the genus Sinonychus (Coleoptera, Elmidae) from Kyushu, Japan. Elytra, Tokyo, New Series, 2: 53-60.
全国のヒメドロムシファンの皆様、お待たせしました。ヒメドロムシ科カラヒメドロムシ属の国内2種目の新種記載論文がついに出ました!愛媛大学の吉富さんとの共著論文です。その名はキュウシュウカラヒメドロムシSinonychus tsujunensisです。奮発してカラーの環境写真と生体写真もつぎこんだのでぜひご覧下さい。
このキュウシュウカラヒメドロムシは、国内から見つかっている同属のサトウカラヒメドロムシS. satoi渡嘉敷島座間味島奄美大島)と比較して、一回り大きくゴツイです。初めて採った時は一目で未知種とわかりました。その後、いそうな場所もわかってきたので、そんな場所にはすかさず網を入れているのですが、なかなか産地が増えません。今のところは大分県熊本県、鹿児島県からしか発見されていないので、何とか福岡県でも発見したいところです。
九州外にはいないだろうと予測していますが、ひょっとしていそうなのは四国かもしれません。ただ飛べないようですのでいたとしてもすでに別種かもしれません。本土で似ているのはマルヒメツヤドロムシで、メンドクサイことに一緒に採れることが多いのですが、マルヒメツヤと比較しても明らかに一回り大きく、ゴツイので慣れれば現場ですぐ区別できます。分布情報も集積中ですので、もし模式産地以外で採ってしまったかも、という方がおられればぜひご一報下さい。

神々しいキュウシュウカラヒメドロムシSinonychus tsujunensisの生時のお姿はこちらです。生きている時に水槽に入れて眺めていると、そのジョウシサイドの金色がとても美しいのです。ちなみに全長は約1.3ミリです。