オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

先週捕獲したチスイビルの撮影と標本作製にとりくんでみました。

チスイビル。ヒルは血を吸う〜というイメージの大部分は水生のこいつと、山にいるヤマビルでしょう。ただヤマビルはいる場所といない場所がけっこうはっきりしているので、ひょっとすると血を吸うヒルというイメージの8割方はこのチスイビルかもしれません。かつては田植え時などに血を吸われる状況が普通だったようですし。しかしチスイビルは少なくとも現在の福岡県内ではかなり生息地は少なく、かつての状況(と言っても聞き取りくらいしかないですが)と比較すれば絶滅危惧種にしても良い状況と思います。実際に現在見られる場所は定期的な水位変動、良好な水質を伴った場所しかありません。

よく見ると眼点がありかわいらしい顔。模様も独特で魅力的な湿地帯生物です。ちなみに血を吸われるのは嫌です。

かわいそうですがきちんと標本に。Seamoonさんから標本作製法の載っている文献を教えてもらったのでそれに従って標本にします。固定は10%ホルマリン液でするのが普通のようですが、そのまま固定すると縮んでしまってよくありません。まずは麻酔をかけて伸びきったところで固定をするとまっすぐの標本ができるようです。そしてその麻酔は炭酸飲料!手近な自販機にはファンタグレープしかなかったのでそれを使いました。

1匹目は麻酔が浅かったようで縮んでしまいました(泣)。そこで2匹目はじっくりと15分ほどファンタグレープにつけてから、針で整えて固定したところ、今度はうまくいったようでした。知らないうちに絶滅してしまう湿地帯生物は多いので、きちんとラベルをつけて標本にしておこうと思います。自然史の記録を地道に。