オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

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今日の水生昆虫はチビコマツモムシAnisops exuguusです。東海地方以西の本州~南西諸島に広く分布します。水面にあまり浮上せず、常に背泳ぎしながら中層で群れをつくって暮らしています。生きたミジンコ類などを捕食するものと思われますが、詳しい生態は不明です。

コマツモムシ属は複数種が同所的にいることが多いのですが、特にこのチビコマツモムシはこれまで単独でいるのを見たことがありません。似たような姿かたちをしているコマツモムシ属の生態やハビタットの違いは調べてみたら面白そうです。

それから本種は近年になって九州以北での記録が増えています。単に気づかれていなかったのか、それとも気候変動等の影響で分布が北上しているのか、興味深いです。私が主に調査をしている福岡県では多くはありませんが、日本海側のため池などでコマツモムシに混ざって採れることがしばしばあります。コマツモムシより明らかに小型なので区別は容易ですが、コマツモムシの幼虫が多いと見落とすことがあります。成虫は光沢のある翅があるのに対して、幼虫は腹部がむき出しです。したがってコマツモムシ属を採ったらまずは翅があるかどうか確認するのが良いです。