オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は休日。買い物などに行ったついでに、ちょっと川を見たりなんたり。

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希少種が多く生息する小さな川、久しぶりに見に来たら浚渫されていました(涙)。ここはすでに改修はされていて、改修後に環境が再生して生物が再定着した場所と思われます。つまり20年くらいしたら環境構造は再生することはほぼ間違いないのですが、改修当時とは周囲の環境が異なるので、生物の方は二度と復活しないかもしれません。いまある希少種の生息地は一つずつ大事にしないといけないのですが。実はここについては管轄行政機関の担当者に希少種がいるから気をつけてくれ(引き継いでくれ)と言っていた場所です。ひどいことです。引き継がれなかったのでしょう。個人レベルでは限界があります。制度の問題で仕方ないと言うのは簡単ですが、それにしても毎回取り返しがつきません。やはり制度をなんとかしないと。

 

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ところ変わって別の川。ここも希少種の宝庫でしたが、農地整備にともない川の付け替えが行われました。つまりまったく新しい川です。当初計画では全面三面コンクリートということでしたが、協議の結果それを回避して、部分的に底張りはせず深みにしてもらう合意形成ができました。まだ見た目はあれですが、こちらは周辺環境が良いので、10年もすればある程度は回復すると思います。この事業については、希少種が生息しているということでこの形での改修案に同意してくれた農家の方、希少種を保全してほしいと担当行政に言ってくれた地元の魚好きの方、なんとかせねばと動いてくれた担当者の方には本当に感謝しています。誰が欠けてもこうはできなかったことでしょう。こうした配慮の積み重ねが本当に大事です。

治水は必要だし、農地整備も必要というのは、よく理解しています。しかし自然環境に配慮すべしと法律にあり、税金を使った公共事業である以上は、可能な限りの生物多様性保全策をすべきです。少しの手間、少しの工夫、そんなことの積み重ねは我々の社会を長く持続する上でとても意味のあることです。

 

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コンビニに生物多様性の恵みが売られていたので購入。食べました。おいしい。

食用になっているイカやタコは、すべて野生の個体を採集したものです。環境が悪化して生物多様性が損なわれれば、イカやタコを食べることはできなくなるわけです。生態系についての研究が進むにつれて、やはり、当初から多くの生物学者が考えていたようにすべての生態系・生物はつながり、かかわりあいながら成立していることが明らかになってきました。つまり、川や水路の生物相を無配慮に破壊し続けていれば、やがて、色々な食べ物が、豊かさが、失われてしまうということです。山も川も海もひとつながりの生態系です。そのことを今一度きちんと整理して、国の政策として正面から取り組み、問題を解決していく必要があります。現状、この10年でも、わが国の生物多様性は破壊されていく一方です。