オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Uno, H. et al. (2022) Direct and indirect effects of amphidromous shrimps on nutrient mineralization in streams in Japan. Oecologia: 

link.springer.com

海から遡上して川で成長する回遊型のエビ類がいます。そうしたエビ類がいる場合といない場合を比較すると、その川の底生生物相が大きく異なり、栄養塩動態が変化することを示した研究です。

日本中の河川で堰やダムなどの横断構造物が海と川の生物の移動を阻害したことは、生態系に大きな悪影響を与えたことが想像できます。魚もエビも貝も、色々な生物が海と川を行き来していたのが本来の生態系の姿。この研究では栄養塩の動態への影響が示されているわけですが、つまり、栄養塩・・干潟・・アサリ・・ということも想像でるわけです。生物多様性保全の観点の重要性を示して研究ともいえると思いました。

内容はプレスリリース解説が詳しくわかりやすいです↓

www.kyoto-u.ac.jp