オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は調査でした。寒すぎましたがまあまあデータはとれました。調査はよかったんですが、残念な川の風景に出会ってしまいました。

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調査中に見かけた川、2つ。それぞれ別の川です。巨岩を並べてその間をきれいにコンクリートで固めています。つるつるの三面コンクリートよりは進歩していると思いますが、もう少しなんとかならないのかと思います。上の川はそれでも少し下流に人家がありますので、土石流対策と言えるかもしれません(ただ土石流が高速で流れ下るので危険性は高まっていると感じますが)。一方で下の川は周囲には全然人家がなく、今どきやりすぎな設計と思います。まったく生物多様性に配慮できていません。ひどいです。

一般的に、上流域で氾濫しないよう速やかに流す治水をすると、下流域で氾濫しやすくなり下流域の人々の命の危険度は増します。上の2地点はいずれも上流ですから、安易にこうした形の治水事業をすることは危険でもあります。だから国交省も「流域治水」の重要性を言うようになったのです。国土交通省による流域治水の説明↓

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しかしまあここは湿地帯生物愛好家のブログなので、生物多様性保全の観点から申しますと、やっぱり本当にまったくだめです。河川法にも書いてあるとおり、治水・利水が目的の事業であっても、税金を使っている以上は、環境にも配慮した設計にしないといけないのです。上の2河川はなるほど、「三面コンクリ」は避けていると言えるでしょうが、しかし、環境配慮にはほど遠いのです。河川技術者の自己満足の環境配慮ではだめです。

国土交通省では生物多様性に配慮した河川設計を行うようたびたび通達や指針を出していますが、特にこの2つは重要です。1つは「美しい山河を守る災害復旧基本方針」

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そしてもう1つは「中小河川に関する河道計画の技術基準」

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生物多様性に配慮した河川改修を行う上で重要な知識が多く詰まっているものです。河川技術者や保全にかかわる有識者の皆様にはぜひこの2つの資料をご一読いただきたい内容となっています。

こうしたことの積み重ねがアサリを減らしたり増やしたりすることにもつながっているということです。