オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

年度末の混乱のさなか、延期していた東方への出張を決めてきました。

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福島県猪苗代町にある水族館・アクアマリンいなわしろカワセミ水族館です!ついに行くことができました。

f:id:OIKAWAMARU:20220327172453j:plainユーラシアカワウソやカワセミサンショウウオ類、東日本の淡水魚類など色々と目玉はありますが、個人的にはなんといっても水生昆虫の展示です。この狂気の展示空間をついに見ることができました。大変すばらしいです。必見です。今年度から業務として希少水生昆虫類の系統保存なども取り組んでいるので、そのあたりの参考になるお話を色々と聞かせていただきました。

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さて、せっかくここまで来たのであれば、湿地帯にも行きます。猪苗代湖です。

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狙いの水生昆虫はいくつかあったのですが、いずれも水中にいません。しかしあきらめる私ではありません。このように水際の陸地を掘ったり、あるいはあれこれしたりして、いくつか水生昆虫を採集することができました。

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まずはこちら、昨年に新種記載されたバンダイホソガムシHydrochus mitamurai Hirasawa & Yoshitomi, 2021です!水位が下がり雪が積もる中、気合で陸上から採集しました!!上翅会合部後端が切り欠き状になっているのは大きな特徴です。体長約2.7mm。良いです。。

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それからこちらはエサキナガレカタビロアメンボPseudovelia esakii Miyamoto, 1959。産地での個体数は多い!と自分で図鑑に書いていますが、実は冬には水域にはぜんぜんいないことを身をもって知りました。こちらも水位が下がり雪が積もる中、気合で陸上から採集しました!!体長約2.5mm。良い。。

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そしてオオヒラタガムシEnochrus haroldi (Sharp, 1884)と思われますが、このグループも色々と闇が深い・・・。九州では鹿児島県からのみ記録がありますが、基本的に本州の近畿地方以北から知られます。気合で陸上から採集しました。

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同所にいたコヒラタガムシEnochrus vilis(Sharp, 1884)。このグループも闇が深いのですが、この種についてはおそらく問題ないはず。。しかし九州にいない北方系ヒラタガムシもカッコいいですね。気合で陸上から採集しました。

ということで今回の視察&採集においては、H澤さんに大変お世話になりました。お忙しいところありがとうございました!

次は暖かい時期に行って、数万匹ともいわれるエサキナガレカタビロアメンボの大群を見てみたいです。今回、陸地から掘り出すことができたのはわずかに3個体でした。