オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

今日の魚「エツCoilia nasus」


ニシン目カタクチイワシ科のエツは九州を代表する汽水魚の一つ。国内での分布は有明海奥部に限られます。分類には若干混乱がみられますが、同種あるいは近縁種は大陸に分布し、典型的な大陸系の遺存種といえます。産卵期である初夏には川を遡上し、かなり塩分濃度の低い場所で産卵するようです。また、成魚になるまで汽水域を主な生活の場としており、純淡水のクリークなどでタナゴと一緒に採れることもあります。繁殖場所として利用しているのは主に筑後川六角川のようでこれは大陸的な長い感潮域がもはやこの2河川にしか残されていないことを意味しています。そういうことから、国内での本種の生存基盤はかなり脆弱であるともいえます。そんなエツですが水産有用種として、季節の風物詩として親しまれています。有明海に面した地域では漁期である5月から7月にあいだは普通に魚屋でみることができます。以前にエツのフルコースを食べてみましたが、相当に美味い!これは絶滅させるなどもってのほか。いつまでも食用魚でいられるように、福岡県・佐賀県は全力で本種の生息環境保全を行うべきです。放流なんて小手先のはだめです。

塩焼き〜煮つけ〜南蛮漬け〜刺身!!