オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は朝から雨だしゼミだということで早くも研究室で研究をしている次第です。今日の仕事は論文の訂正、論文に向けたデータ起こし、北九州の干潟ブックの担当分原稿の作成などであります。

といった作業に飽きてきた昼ごろ、都合よく注文していた月間むしが来たので読みました。目当ては2007年4月号の林成多・曽田貞滋両氏のカナダ産キイロネクイハムシの生態、という記事です。うーーむ熱い。。燃えてきた。やはり完全な水生ハムシの可能性が高いのですね。そしてあの狙っている池は、深くて透明度がそこそこあって、フサモとエビモが繁茂・・すべての条件はそろっているような気がするんですけどね。問題はどうやって攻めるべきなのか。それを考えています。

午後からは博士課程学生の研究計画ゼミだったので、色々と意見してきました。面白そうなテーマがたくさんで結果を楽しみにしています。特に川のカニ幼生の流下過程を様々な公式で作った計算式に乗せてシュミレーションした結果はとても感動しました。一方で幼生のほうの生理・生態特性を大変な労力をかけて飼育実験して明らかにしているのも感動しました。この全く違う角度からの2つの新知見を組み合わせれば、このカニが初期生活史のなかでどのような環境改変にもっともダメージを受けるのかを明らかにできると思うのです。

ゼミ聞きながら考えてましたが、私のもっとも好きな「生物の生活史の記載的研究」というのはこのような形で工学部が行うべき学問領域になってきたのではないか、という気が最近しています。新規性だとか一般性だとかがないと生物の研究をする意味なし、という意見が特に生態学分野では目立つように感じますが、そんなんではなくてもっと牧歌的な「知られてないから調べた」系の背景の研究を生物屋が捨ててしまっていいのでしょうか。
まあ背景が何だろうといいのかな。こうあるべきだとかするから変になるのかもしれないです。対象生物への愛があれば何でも良いのかもしれないです。