オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

5日間の調査から昨日無事に帰還しました。当地でお世話になった方々のおかげで、目的はほぼ達成することが出来ました。厚くお礼申し上げます。
今回はフェリーで新門司から大阪南港へと上陸し、琵琶湖淀川水系と東海地方をまわって、名古屋から高速を使って九州まで戻るといった路程でした。この航路のフェリーは初めて使ったのですがなかなか快適でした。値段もネットから予約すると13000円ということなので車に調査用具を積まざるを得ない身としては大変に便利かつお安い。ちなみに帰りの高速は名古屋からでしたのでだいたい700kmくらい。高速は日曜日に乗ったものの大阪を通過したということから2100円でした。まあガス代いれても1万円くらいですから安いといえば安い。しかし運転はやっぱ疲れるのでこのくらいの値段差ならフェリーのほうがいいかもとちょっと思ったりもしています。

今回の目的の一つが絶滅した言われているスジシマドジョウ小型種淀川型の探索。京大のTommy氏の協力を得て探索を行ったのですが、残念ながら採れず。以前に多産したといわれる宇治川は河床の低下と底質の粗礫化が著しい。ダムの影響ではないかと思われます。その上わずかな淀みには巨大なオオクチバスが多産。その他木津川や桂川など周辺河川も探してみましたが状況はかなり悲惨でした。また時期を変えて挑戦してみたいと思います。
ということで悲しい話はこれまでとして、今回出会った魅力的な未記載種の紹介です。

まずは琵琶湖流入河川と琵琶湖流出河川。

カマツカ属の一種。Tommy氏により発見されたこの未記載種は今回はじめて生きた状態で見ることができました。間違いなくカマツカとは別種です。ヤヴァイ。

ゼゼラ属の一種。繁殖期の雄はかなりかっこよかった。

ヨシノボリ属の一種。いわゆるトウヨシノボリ縞鰭型。

シマドジョウ属の一種。いわゆるスジシマドジョウ中型種瀬戸内型。すっきりとスマートでやはりかっこいい。

ここからは琵琶湖周辺。

ヨシノボリ属の一種。いわゆるビワヨシノボリ。案内していただいたKANAO氏によれば水路への産卵遡上はこれからがピークとのこと。

シマドジョウ属の一種。いわゆるスジシマドジョウ大型種。日本の誇る名シマドジョウ。

シマドジョウ属の一種。いわゆるスジシマドジョウ小型種琵琶湖型。大型種と似ているが背鰭後半から急激に細くなり、したがって尾柄はかなり細くみえる。

最後に東海地方。

今回の目的の一つがこれ。東海地方で最も淡水魚類の分布に詳しいN氏に案内してもらい、灌漑と雨による増水のなか見事自力採集できました。しかしスジシマとは全く異なる姿で、いったいこれは何なんだ・・。がんばって調べさせていただきます・・。

シマドジョウ属の一種。いわゆるスジシマドジョウ小型種東海型。この種も捨て難い魅力を放つ。今回は産卵期を狙っていきましたが、すさまじく個体数の多い場所を案内してもらって感動しました。

ということで未記載種ばかり紹介しましたが、日本の淡水魚類は未記載種ばかりなのが現状です。でも今後どんどん記載されていくことでしょう。分類の最新情報についてはおいおいこのブログでも紹介できればと思います。


琵琶湖の美しい風景。やはり日本産淡水魚好きとしてはその迫力を目の当たりにしてしまうと黙ってしまいます。すばらしい。