オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は毎月やっている湿地の調査へ西方に向かいました。この湿地は人工的に氾濫原を再生したという意欲的なプロジェクトの産物なのですが、実際のところ生物量は大変に多く本来の河川わきの一時的水域の生産量の凄まじさを垣間見ることが出来ます。非常に面白いなと感じているのがいわゆる「水田や水路の普通種」と言われる水生昆虫や魚類たちの個体数です。現在の人工的に改変された水田などの擬似湿地環境において普通に見られる生物というのは、本来の湿地環境においては普通どころでない莫大な個体数を誇っていたのだ、ということを感じつつあります。すなわち現在の擬似湿地環境で普通に生息するとされる生物種もまた、すでに激減した後での話だということです。とまあ色々なことを呆然と考えながら莫大な個体数のヒメガムシやフナ稚魚と戯れていたわけです。

調査地。もともと水田であった場所に氾濫原を造成したもの。

良く見えないと思いますが、チビミズムシ属Micronecta sp.やトゲバゴマフガムシ、チビゲンゴロウが泳ぎまわっています。特にミクロネクタは凄まじい個体数です。