オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

先日は某河川にて某ONI先生と川づくりの合意形成を目的とした4者(国交省、研究者、地元、コンサル)の懇談会(?)らしきものを行ってきました。
問題となっている場所は、スジシマドジョウ中型種の一種をはじめとして20種以上の魚類が生息することからこの水系でも重要な支川なのですが、一方でこの少し上流がホタルの名所としても有名な場所で、下流域もホタルのための川づくりをして欲しいという地元要請があった場所です。
こはちょうど河川の勾配としては中流から下流に移行する区間でありホタルもいるのですが、止水環境が中心の場所なので、こういう場所に無理やりホタル幼虫が好む瀬をたくさん造成しても魚がいなくなるだけで、無理につくった瀬も長期的には維持できないのではないか、ということを施行者側に訴えておりました。まあそんなこと言うなら実際に地元の人たちと話し合って落としどころをさぐって下さい、という会だったわけです。そういう経緯だったので我々も気合を入れて、実際に魚を見てもらうということをメインにこの川の魚の下敷きなどまで作成して乗り込みました。

現場で資料を配布し、投網やタモ網で採った魚を実際に見てもらったところ、意外にもかなり好評で、あっさりと魚の生息場所を残すことが主目的となり、ごく一部にホタルのための瀬を造成することで話がまとまりました。地元の方々はホタルのほかにこれほど貴重な魚がいるとは知らなかったということで、今後はぜひこれらの魚も守っていきたいとおっしゃってくださったので、今回の会議は非常に有意義なものとなりました。今後、実際に設計図があがってくると思うのでそれを見てからという部分もありますが、地元要望とこちらの要望が一致したので、魚の生息状況にはほぼ影響がない形になったのではないかと思っています。

今年生まれのスジシマ中型種の一種。ここは多くの個体が繁殖している場所なので、今回の一件でこいつらの未来も安泰になったのではないかとほっとしています。それにしても今回実物を地元の方にお見せできてよかった!