オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

昨日はGYO部および関連する皆さんと作成中の本についての校正会議。今回の本はとある川にしぼって様々な角度からその魅力を紹介しようという企画です。もちろん図鑑パートもありまして、今回はエビ、カニ、水生昆虫、貝類、魚類、両生類と色々載っていて生きもの愛好家にも面白いと思います。また出来たらこちらで紹介します。

校正作業中に出版社のAさんからいただいたチョコのゾウガメ。亀にのって旅をしたいです。どうもありがとうございました!
そういえば全く話は変わりますが、昨年に与論島に水生昆虫を探しに行った時に捕獲した藻類が、希少種でかつ新産地であったということで、今日南日本新聞の記事になっていました↓
「与論に絶滅危惧種「シマチスジノリ」沖縄以外で初確認(リンク)」
記事中の「与論町のマンゴー農家で県希少野生動植物保護推進員の竹盛窪さん(58)が、10年ほど前から藻を観察していた。昨年3月、昆虫調査に訪れた九州大学工学研究院のメンバーを案内した際に採取。河川生物研究所(福岡県宗像市)がシマチスジノリと確認した。」となっているメンバー、それが私です。というかメンバーに九大の人は一人だけだったのですが、まあ細かいことがうまく伝わらないのは新聞記事に良くあることです。
記事をみて、このメンバーの人は仲介しただけなのではないか、と思われる方もいるかもしれません。そんなことはありません。珍しそうな藻があるから見てほしいと言われて興味津々で見に行き、明らかに珍しいと速攻で判断し、丁寧に採集して速やかに調べて、よくわからなかったので、すばやく専門家に標本を送った、というこの一連のファインプレー。かなり重要な役回りであったこと間違いありません。と自分でフォローしておきます。
ちなみにこの記録はすでに専門誌に発表済みです↓
洲澤多美枝・洲澤 譲・中島 淳・竹 盛窪・熊野 茂(2010)鹿児島県与論島初記録のシマチスジノリThorea gaudichaudii C.Agardh.藻類,58:141-143.
今後環境が変化しないように見守ることが一番大切ですが、人家近くの湧水に生息するということもあり、まずは地元で認知されて、地域中心での保全活動がうまく展開してくれることを期待しています。

はえている様子。水中の赤黒っぽいのがそれです。いかにも人知れず絶滅しそうなはかなげな存在感。がんばって生き残ってほしいものです。