オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Nakabo, T., Nakayama, K., Muto, N., Miyazawa, M. (2011) Oncorhynchus kawamurae ''Kunimasu,'' a deepwater trout, discovered in Lake Saiko, 70 years after extinction in the original habitat, Lake Tazawa, Japan. Ichthyological Research: online first. (DOI 10.1007/s10228-011-0204-8)
クニマスの論文が魚類学会英文誌のオンラインファーストで出ていました。形態と遺伝子の特徴を調べた結果が主要な内容です。形態では幽門垂の数が47-62、鰓耙数が37-43、体色が黒い、3月に成熟した卵を持っていた、などの特徴がクニマスの知見と一致しているとしています。また、遺伝子ではマイクロサテライトを使って、西湖と阿寒湖のヒメマスと比較して違いを見出しています。遺伝子部分は今後もっと詰めていくと面白そうですね。あとこれまではベニザケヒメマスの亜種としている事例が多かったのですが、この論文では独立種としています。Fig.1aの個体、尾鰭下半分がないのですが、これは産卵床を掘る時に擦り切れるかららしい。なるほど、産卵期が冬というのはこの点からも言えるのですね。黒い体色でかっこいいです。しかし何より卵のカラー写真が素晴らしい。おいしそう。食べたい。そういえば著者にはあのさかなクンさんも名前を連ねていますね!!
京大のウェブサイトでも大きく扱われています。論文に使用されたのと同じ写真が載っています→りんく