オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

いつのまにか新年度になっていました。奥方の転勤の関係で引越しなどしており(県内ですが)、もうなんかもう色々とバタバタしていましたがようやく落ち着いてきました。あとは自宅にネットを引けば引越しはほぼ完成であります。そして気づけばここに就職して丸一年。感想などはまた別個書きたいと思います。
九州各県版レッドリストも改訂されているのが出てきました。長崎県リンク)と大分県リンク)は完全改訂。魚類と昆虫類ざっとみてみましたが色々と新知見も盛り込まれていて改定の効果は高かろうと思います。長崎県の魚はカマツカとかイトモロコを入れてるのは妥当だと思います。汽水魚関係は色々大胆な気もするけど。大分県の魚も前のより情報が蓄積されてよくなったんではないでしょうか。アオギスの写真が個人的に好き。
ただいくつか問題点もあります。例えば大分県のヒメドロムシ3種はリストとして挙げるのは問題ないのですが、ケスジドロムシの産地が九州唯一とか、ゴトウミゾドロムシの産地が九州で二箇所しかないとか、明らかな間違いでかつ少し調べればわかることをわざわざ記述するのはよくないですね。
それとマルチビガムシPelthydrus japonicusがリストに入っていますけど、説明文中の生息環境に関する記述は「池沼などの浅瀬に植物が繁茂している止水域」となっているので、これはチビマルガムシParacymus evanescens satsumanusのことなんではないかと思われます。うーん・・。
県別レッドは行政で保全対策などたてる上では結構重要な資料なわけですから、任された「専門家」はそれなりに時間と手間をかけて調べるべきでしょう。こういうところをいい加減にしていると、「行政家」からの「専門家」への信頼というのが低下していくわけです。
その種の生息地が唯一かどうか、は保全対策を考える上でかなり重要な項目で、わざわざ書くのであればさらに詳しい専門家に聞くなりして裏づけをとるべきです。客観的にみて調査が不足しているのなら情報が足りないと明記すべきで、それが科学的な根拠に基づいた正しいレッドリストと言えるのではないでしょうか。各地の専門家はこういう方面であまりいい加減な仕事をしていてはいけないと思います。