オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Okada, Y. 2011. A new species of the genus Platambus (Coleptera, Dytiscidae) from Hokkaido, Japan. Elytra, Tokyo, New Series, 1: 31-38.
衝撃の新種ゲンゴロウの記載論文です。その名もニセモンキマメゲンゴロウPlatambus convexus!北海道から記載されたその種はおなじみモンキマメゲンゴロウPlatambus pictipennisに超そっくりなようです。ただし、モンキマメゲンゴロウより少し大きく、交尾器中央片、前胸腹板突起、中脚脛節の形状などから容易に(!)区別できるそうです。モンキマメゲンゴロウと同所的にいることもあり、形態差も含めて別種だ、という結論は非常に妥当だと思います。
模式産地を見ますと今のところすべて北海道ですが、これは似たようなのがよその地域にもいたりしないか心配です。しかし、モンキマメみたいにわかりやすい普通種の中によく似た別種が発見されるというのは熱い展開ですね。
そしてこういうのに気づけるというのは、数を見ていることもさることながら、センスによるところも大きいのではないでしょうか。すごいです。手元の標本を見るのが怖くなってきたのですが、今度もう一回見直してみよう。日本の普通種の中にも新たな発見がまだまだたくさんありますね。