オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

赤司英治・大杉奉功・金澤裕勝(2018)河川水辺の国勢調査における調査実施上の留意点.平成29年度水源地環境技術研究所所報:32-37.PDF

国土交通省が実施している「河川水辺の国勢調査」は、今や公的機関が実施している生物相のモニタリングデータとしてはもっとも充実し、保全の現場などにも活用されている重要な事業になっています。本論文では河川水辺の国勢調査に関わる技術者を対象とし、同定に関する注意点を中心に、DNA解析用標本作成や外来珪藻(ミズワタクチビルケイソウ)の問題点などを整理して解説しています。内容的には一般の愛好家や研究者にとっても非常に有用なものになっています。ありそうでなかった実用的な論文ですので、湿地帯調査者は必読です。

余談ですがドジョウ類の同定上必要な文献として「日本のドジョウ」を挙げてもらっているのは大変うれしいです。この図鑑には絵解き検索も掲載しているので、これに沿った同定で記録されることでより細かいモニタリングデータの蓄積が進むことを期待しています。

論文の情報を教えていただいたSZ-1氏にこの場を借りてお礼申し上げます。