オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

水生生物を用いた水質評価法には色々なものがありますが、私の推しは平均スコア法です。ふと気づいたら2年前に環境省でもそういうことになっていました(リンク)。リンク先の「河川生物絵解き検索(PDF)」は初心者にもわかりやすく科まで落とせて便利です。

ついでに参考文献メモ。

山崎正敏・野崎隆夫・藤沢明子・小川 剛(1996)河川の生物学的水域環境評価基準の設定に関する研究.全国公害研究会誌,21:114-145.(PDF

※全国35の地方環境研究所の総力を挙げて水質と水生生物の関係を調べ、スコアを付与した力作。データそのものも非常に硬いものですが、解析方法も独特で優れたものだと思います。日本版平均スコア法はここがベースになっています。

野崎隆夫(2012)大型底生動物を用いた河川環境評価 :日本版平均スコア法の再検討と展開.水環境学会誌,35:118-121.(PDF

※山崎ほか(1996)にもかかわり、トビケラ分類学者として著名な野崎氏による分類学的変更等を踏まえたスコア修正の提案。

福岡県(2008)川の生き物観察ガイドブック 増補改訂版.(リンク

※日本版平均スコア法の開発に中心的役割を果たした山崎正敏氏は福岡県保健環境研究所の研究職員だった方ですが、その山崎さんと一緒に調査をしたのが緒方健氏で、その緒方氏が中心となって作成した渾身のガイドブックがこちら。緒方氏は言わずと知れた私のヒメドロ師匠です。このガイドブックでは観察会等で使用しやすいよう得点を半分にし指標種を絞った「簡易スコア法」が紹介されています。今現在、福岡県内で行われている環境教育ではこの簡易スコア法を用いたものが主に使用されており、この簡易スコア法を用いた環境教育の仕方を教えるための行政職員向け研修が今も毎年行われています。

観察会はこんな感じで開催されています→リンク