オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

実は今月上旬にちらっと徳之島に行ってたのでした。夜は散策に勤しむのが常ですが、今回は色々と見ることができたので、特に感動した3種を紹介します。

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まずはハイSinomicrurus japonicus boettgeriです。徳之島と沖縄島、久米島に分布しますが、各島で模様は異なり、達人となれば写真だけでどこの島のものかわかります。コブラ科の毒蛇ですが、大人しく、口は小さいので、被害はまずないそうです。それにしてもこの鮮やかな色、美しい模様!実はこの仲間はこれまで一度も見たことがなく、なんとか見たいと思っていたもので、ついに見ることができたのでとても感動したのでした。のろい、と聞いていたのですがこの個体は撮影中に素早く茂みに逃げ込んでしまいました。

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こちらはトクノシマトゲネズミTokudaia tokunoshimensisです。名前の通り徳之島の特産種です。小さなネズミですが、よく見ると針状の太い毛が混ざっていて、これが「トゲ」の名の由来です。今回観察した林道では多くみられましたが、ピョンピョン跳ねて素早く茂みに逃げ込むので、姿をじっくり見ることは難しかったです。が、この個体はたまたま目の前でフリーズしてくれたので、じっくり見ることができました。たぶん何度か見たことはあるのですが、今回初めてじっくり見ることができて堪能しました。写真は同行したK氏によるものです。

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それからケナガネズミDiplothrix legataです。奄美大島、徳之島、沖縄島にしか分布しない、樹上性のものすごく変わったネズミです。長く白い尻尾が特徴ですが、和名は体毛に交じる長毛に由来します。これも一度見たいと思いながらこれまで見ることができていなかったのですが、ついに見ることができて超感動しました。しかもはじめはかなり高いところにいたのですが、我々が観察していたらどんどん降りてきて、かなり近くまできて、こちらをじっと見ていました。その時の写真です。素晴らしいです。思ったよりかなり大きく、のんびりした動物でした。いやー、素晴らしい。こちらもK氏による写真です。

写真には撮れませんでしたが、アマミノクロウサギは観察にでかけた3晩とも見ることができました。徳之島では外来の捕食者としてイヌとネコによるこれら希少種の捕食が確認されています。しかし地道な対策が進んだ結果、近年では若干増えているのではないかということでした。素晴らしいことです。これら地域の生物相は本当に独特で貴重なものです。いつまでもここにいて欲しいですね。

ブログでの写真使用を快諾いただいたK氏にお礼申し上げます。