湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

依頼があって用意する機会があったので、せっかくなのでここにも貼っておきます。宮崎県のシマドジョウ属画像集。

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宮崎県というと大淀川水系から新種記載されたオオヨドシマドジョウCobitis sakahokoが有名?ですね。しかし宮崎県内のシマドジョウはすべてオオヨドシマドジョウというわけではありません。現在のところオオヨドシマドジョウは大淀川水系都城盆地を中心とした地域からのみみつかっており、都城盆地が他水系から切り離された古い時期に取り残されたヤマトシマドジョウが隔離され進化した種と考えられています(中島ほか,2011;Nakajima & Suzawa, 2016)。

 

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興味深いことには、大淀川水系の鹿児島県域の支流ではヤマトシマドジョウCobitis matsubaraeも発見されています(中島ほか,2019)。ヤマトシマドジョウとオオヨドシマドジョウはミトコンドリアDNAcytb領域の特徴からみるときわめて近縁で、同一水系に分布しているとは思っていませんでした。なぜ交雑しないのか、この2種の関係性はどうなっているのか、まだまだ調べる必要があると考えています。

 

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こちらは宮崎県門川町の五十鈴川水系のヤマトシマドジョウ。

 

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こちらは宮崎県西都市の一ツ瀬川水系のヤマトシマドジョウ。

 

参考文献

中島 淳・中村朋史・洲澤 譲(2011)宮崎県大淀川水系から得られた特異なシマドジョウ属.魚類学雑誌,58:153-160.

Nakajima, J., Suzawa, Y. (2016) Cobitis sakahoko, a new species of spined loach (Cypriniformes: Cobitidae) from southern Kyushu Island, Japan. Ichthyological Research, 63: 68-78.

中島 淳・橋口康之・杉尾 哲・東 貴志・越迫由香里・田口智也(2019)鹿児島県の大淀川水系支流におけるヤマトシマドジョウ(コイ目ドジョウ科)の記録.魚類学雑誌, 66:93-100.