オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

寝込んだりしていますが生きています。今日は県外でお仕事。

この場所は水際を保全して陸域を浚渫するという方法を行ってもらった場所。この川ではこれまでこうした方法は一切とっていなかったのですが、長らく勉強会を実施していた地域で、何度か河川部局も参加するなどしてくれた縁で、事前に相談をしてくれました。そこでこの方法を提案し、採用してもらいました。やはり地道な啓発活動は意義があるなと思います。

ということで近づいてみると、掘った場所はきちんと湿地帯になっていました!

コナギがはえていました。埋土種子から発芽したのでしょうか。

こちらはカンガレイ。これまでこのあたりでは見たことがありませんでした。

ミナミメダカが大繁殖していました。

コシマゲンゴロウです。このほかにヒメガムシ、キイロヒラタガムシが多数みられました。

 

今回行った方法は以前にこのブログでも紹介しましたが、以下の方法です。陸域の生物には影響があるので万全とは言えませんが、一方で河川において定期的にたまった土砂を浚渫する作業は治水上不可欠なので、浚渫と生物多様性の両立を図る方法として現時点ではベストと考えています。この方法では水際を残すことで水生生物を保全し、流下断面が確保できる程度まで陸域を浚渫することで河川敷に浅い湿地を造成し、場の多様性を確保することで浚渫後にむしろ生物多様性を高めます。流路(流水)の周囲に氾濫原湿地(止水)がある、という構造は本来の河川生態系の姿にも近いものです(もちろん規模は全然小さいですが)。そしてそういう構造になれば、やはり、本来の姿に近い生物多様性を再生することができることがわかります。場が重要なのです。

こうした少しずつの積み重ねを続けることで、生物多様性に配慮した持続的な社会をつくっていくことが可能です。努力していきたいものです。