オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

今日の魚「カマツカPseudogobio esocinus」

ということで本家くろむし屋の魚図鑑がちっとも充実しないので、きまぐれに九州の汽水・淡水魚を紹介していきます。第1回はカマツカです。私の博士論文のテーマでもあり、また、小学生時代からいまも大好きな魚です。なんと言っても、この日本産淡水魚のなかで圧倒的なカッコよさ!この完成されたフォルムに魅了されます。カマツカ属は世界に3種もしくは2種1亜種という小さなグループで、しかもどれも同じ形。いかにこの形が完成されているかわかるというものです。九州では北部から南部の大隈半島まで広く分布していますが、壱岐島では1977年の記録を最後に生息が確認されていません。私も調査に行きましたが環境の悪化は凄まじく、絶滅した可能性が高いです。また、国外では朝鮮半島から中国東北部に分布することになっていますが、最近の遺伝的な研究からは、記録されている種が同種かどうかは甚だ疑問がありそうです。生活史の特徴としては、砂が好き、植生嫌い、あまり移動しない、水温に対する適応性が広い、といった特徴がありまして、福岡県などでは都市化が進行すると増える魚です。ですが東日本では相当採りにくい魚で、絶滅危惧種とされている県もあることから、まだまだその実体には秘密が隠されていそうです。

皆さんも愛して下さい。カマツカ