オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

2008年もいよいよラストデイとなりました。今年は私的な方面でも色々ありまして忙しい一年でございました。無事に12月31日を迎えることが出来て幸せというものです。ということで、研究者の端くれらしく、今年もっとも影響を受けた論文ベスト3を公開、とか思ったのですがあまり勉強していないことに気づいたので、今年出会って興奮した湿地帯の生物ベスト3を一挙大公開したいと思います。

第3位「ミカゲサワガニと出会う」
今年は九州中の川を調査する幸運に恵まれましたが、なんとか出会いたいと思っていたのが鹿児島県大隈半島の特産種である、このミカゲサワガニ。ヒメドロ探していたらいきなり網に入ったのですが、採った瞬間、思わずフハッ!と渓流で小さな声を上げました。高級感溢れる美しいサワガニであります。ただのサワガニと同じじゃないのか、という声が聞こえてきますが、わかりやすいのは眼の違いです。

第2位「真のナガレホトケドジョウと出会う」
最近、ナガレホトケドジョウには東海地方のものと、近畿・中国・四国地方にいるものの2系統いることがわかったという発表がありました。いわゆるナガレホトケドジョウは近畿・中国・四国のものについての呼称であり、また、これまで私はナガレホトケドジョウは東海地方でしか採ったことがなかったのです。すなわち、真のナガレホトケドジョウはまだ採ったことがなかったのだ、という衝撃的な事実を認識することとなりました。そういうことから探しに行く機会をうかがっていたのですが、ついに今年、出会うことができました。うーむかっこいい。日本にはステキな魚がいるものです。しかしあのような環境を好んでいるとはいまだに信じ難い。

第1位「一目で日本未記録種とわかるヒメドロと出会う」
今年の1月の調査でいきなり炸裂したのがこのヒメドロムシ。網の目の上に鎮座していたのが目にとまった瞬間の興奮は今でも思い出すと動悸息切れがするほどです。さらにその後4回の調査でどうにか5個体を採集することができました。恐らくはアカツヤドロムシのように、伏流水というハビタットを利用する種だとは思うのですが、まだまだ謎を秘めています。来年はこやつの秘密を色々と暴いてやりたいものです。しかし、これは反則的なかっこよさだ・・。

ということで、以上、今年出会って興奮した湿地帯の生物ベスト3でした。来年も色々な湿地帯の生物に出会いたいものです。それでは皆さん、良いお年を。