オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Miller, K.B, Bergsten, J., Whiting (2009) Phylogeny and classification of the tribe Hydaticini (Coleoptera: Dytiscidae): partition choice for Bayesian analysis with multiple nuclear and mitochondrial protein-coding genes. Zoologica Scripta, 38: 591-615.
シマゲンゴロウ族(tribe Hydatichini)について、遺伝子と形態の解析からHydaticus属とProdaticus属の2属への再編成を提唱しています。以前に教えてもらっていたのですが、先日の記事(リンク)ではすっかり参照するのを忘れていました。ゴメンナサイ。
日本産のシマゲンゴロウ族では、シマゲンゴロウ、スジゲンゴロウ、オキナワスジゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ウスイロシマゲンゴロウの属がHydaticusからProdaticusに変更になっています。なお、オオシマゲンゴロウの属はそのままHydaticus。オオイチモンジシマゲンゴロウリュウキュウオオイチモンジシマゲンゴロウ、マダラシマゲンゴロウについては取り扱っていません。属の変更で学名が変わった種は以下になります↓

・シマゲンゴロウProdaticus bowringii (Clark, 1864)
・スジゲンゴロウProdaticus satoi (Wewalka, 1975)
・オキナワスジゲンゴロウProdaticus vittatus (Fabricius, 1775)
・コシマゲンゴロウProdaticus grammicus (Germar, 1830)
・ウスイロシマゲンゴロウProdaticus rhantoides (Sharp, 1882)

遺伝子と形態の両面から細かく見ているので、解析手法が妥当かどうかは置いといて、このように分かれるという部分については説得力があるように思います。ただメジャーな分類群でもあり、属の変更は色々と混乱を招くので、個人的には亜属の新定義くらいでよかったのではという気もします。この論文の解説については分類の専門家であるyoshitomushi先生のこちらのブログ記事(リンク)が詳しいです。分類の論文としては若干問題となる部分もあるみたいですね。