オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

ここは午前6時半のあらぶる玄界灘・・結局早起きして探しにきてしまった・・

風はかなり強いものの気温がそれほど低くない。コンディションとしてはどうなんでしょうか。すでに車が2台とまっています。昨日のウミアメンボ注意報を見て駆けつけた方々かと思いましたが釣り人のようでした。ふう、焦ってしまいましたよ。

無残にもカラスに食い散らかされたウスバハギAluterus monocerosが気分を盛り上げます。さて、いったいどこを探せば良いのだろうか。対馬では海岸に打ちあがった海藻の下にいるのを、沖縄島ではリーフ内で溺れてもがいているのを見た経験があります(どちらもコガタウミアメンボ)。しかしながら海藻がほとんど打ちあがっておらず、またサンゴ礁もないので過去の経験が役立つ気配はありません。

とりあえず波打ち際を歩いてみたり。うう風が強い。風が強すぎてとてもウミアメンボが落ちているような気がしないです。とある本でクラゲに絡まるとの話を読んだことがあったのでクラゲを探しますが、ウスバハギとウマズラハギしか落ちていません。

砂浜を歩いたあとの足跡に落ちているとの話も聞いたことがあるので、穴を探してみることにします。穴・・穴はないか。意外に穴がありません。あ・・ありました。比較的大きい穴です。風もぶち当たる位置にあり、かなりよさそうな穴です。さっそく覗いてみますドキドキ・・

オゥフ!?イキナリイター!!!紛れも無く外洋性のウミアメンボ!!!なんということでしょう。いきなり採れました。ていうかかなりうれしいんですけど。誰かこの感動と興奮をわかちあって下さい。激写した後タッパーにつめて、一人早朝の海岸でガッツポーズ。私を見ているのはカラスだけ。いいんです。

持ち帰って調べてみたところセンタウミアメンボHalobates germanusで間違いないようです。結局仕事もサボれないので30分しか探せず、2個体しか採れませんでしたがたいへん満足しました。しかも雄と雌(右が雄で左が雌)。完璧と言えるかもしれません。そして、センタウミアメンボは自力初採集です。しかも福岡県では正式な記録がたぶんありません!やりました!!(・・誰も探してないだけとか言わないで下さい。)
ということで何よりもウミアメンボ注意報を出していただいたhamusiさんにお礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

追記
この記録については以下のとおり論文化しました↓この年は当たり年で、偶然にも知り合いの方がツヤウミアメンボを採っていたので、あわせて記録することができました。
中島 淳・淺野海翔・川野 凛・松尾耕太郎・船迫笑子・阿波連憲子(2011)福岡県におけるセンタウミアメンボとツヤウミアメンボの採集記録.ホシザキグリーン財団研究報告,14:175-177.(PDF