オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Hayashi, M., Sota, T. (2010) Identification of elmid larvae (Coleoptera: Elmidae) from Sanin District of Honshu, Japan, based on mitochondrialDNA sequences. Entomological Scinece: doi:10.1111/j.1479-8298.2010.00404.x

ヒメドロムシの成虫と幼虫の対応を遺伝子を使って調べたという論文です。特に幼虫形態について細かく記述されていまして、幼虫の一覧プレート写真(背面と側面)を見たらヒメドロ幼虫マニアは狂喜することでしょう。扱っているのは山陰地方に産するもののみですが、西日本に生息する種の多くが含まれていますので、幼虫同定の実用面でもかなり活躍度の高い文献となると思われます。今後のヒメドロ幼虫ブームは間違いありません。
樹状図を見ると興味深い点が多々ありますが、ミヤモトアシナガミゾドロムシはやはりアシナガミゾドロムシの短翅型なのか、というあたりやキスジミゾドロムシの系統的な位置など面白いです。ちょっと気になるのがツヤドロムシ属で、アワツヤ、ミゾツヤ、ツヤがあまりきれいに分かれていないですね。今回の論文を皮切りに今後進展するであろう研究が楽しみです。