オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Djong, H.T., Matsui, M., Kuramoto, M., Nishioka, M., Sumida, M. (2011) A new species of the Fejervarya limnocharis complex from Japan (Anura, Dicroglossidae). Zoological Science, 28: 922-929.
hamusiさんのブログで紹介されていて気づきましたが、九州では超普通種のあのヌマガエルが実は未記載種であったということで、新種記載されています。ということで今後はヌマガエル=Fejervarya kawamuraiとなります。各地のファウナリストでかなり出てくる種類ですので、リスト作成時には要注意ですね。
模式産地は広島県東広島市で、分布域は一応、本州西部、四国、九州、沖縄島以北の琉球列島、国外では台湾、中国中北部、そして移入集団が対馬と関東地方にいる、ということのようです。かなりの広域分布種です。東アジアにおけるFejervarya属5種の分布マップ(Fig.5)は実に興味深いです。
本当にこんな分布なんだろうか、といった疑問が出てくるところできちんとこのあたりもディスカッションされていまして、やはり琉球列島のものは遺伝子や模様などの特徴に違いが認められ今後の研究が必要と述べられています。同様に中国大陸や台湾の状況もまだ新たな発見がありそうです。