オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Matsui, S., Nakayama, K., Kai, Y., Yamashita, Y. (2012) Genetic divergence among three morphs of Acentrogobius pflaumii(Gobiidae) around Japan and their identification using multiplex haplotype-specific PCR of mitochondrial DNA. Ichthyological Research: DOI 10.1007/s10228-012-0276-0
スジハゼA、スジハゼB、スジハゼCの遺伝的関係がついに明らかになりました。太平洋側、日本海側、東シナ海側の3地域のほぼ同所的な場所から3型をそれぞれ採集して、解析に用いています。手順も丁寧で内容はとても説得力があると思います。
結果として、これら3型は遺伝的にも明瞭に異なっており、地理的な距離など問題なく、形態的な差と一致していることがわかります。すなわちこれら3型はそれぞれ別種ということになります。やはり次に気になるのは、この3種がいかなる歴史を経てこのように分かれてしまったのかというところでしょうか。きっとあるであろう続編が楽しみです。それから当然、本当のスジハゼは誰だ!というテーマの今後も楽しみです。

福岡県産スジハゼA。

福岡県産スジハゼB。ちなみにスジハゼCは私の守備範囲内にいないので画像がありません。