オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

中島 淳・鬼倉徳雄(2012)九州北部の淡水魚類を用いた平均スコア法による水環境の健全度評価法.水環境学会誌,35:81-88.
この手の論文は「専門家」から色々突っ込まれますし、「値踏みする」というところの問題点もあることは重々承知していますが、それよりも知ってもらう、興味を持ってもらうという点が重要と考え、思い切って提唱しました。健全な水環境の保全と創造への寄与、を重視する水環境学会ではなんと無料でPDFを公開しています(リンク)。
さらにこの理論?に基づいた下敷きもおねだりして本庁に作成してもらいまして、現在県内での環境教育に用いられています(リンク)。もちろん担当者には使用上の注意をきちんと伝えた上で利用してもらってます(ちゃんと研修もあるんです)。
ちなみにこれまでも水棲動物の水質指標に基づいた環境教育は行われていたのですが、実際にやってみて「虫」よりも「魚」の人気が高いこと(※個人的な感想です)や、我が県ではちびっ子のタモ網ごときで淡水魚類がざくざく採れる場合がままあること、などから何とか魚も題材に加えたいと思っておりました。
そして二年前のとある観察会において、タナゴ類とかアリアケギバチがざくざく採れた水路の水質判定は軒並み「やや汚い」になってしまい(赤いユスリカとかイトミミズとか多かったので)、親御さんが「こんな汚い水路は水草とか泥かすべて取り除いて渓流みたいにしなくては(意訳)」というようなことを仰いまして、これはいけない!と思ったのが当指標を作成しようと思ったきっかけです。
当指標は当初妄想と経験に基づき適当に作成・配点したのですが、やはり妄想で作成したものを教材に用いるのはよろしくないだろうということで、査読誌に掲載されるレベルまで仕上げようと色々と努力してみました。これでとりあえずの科学的裏付けは得られたかと。こういうのはどんどんバージョンアップもしくはバージョンチェンジして、より良いものにしていくべきだと思いますので、建設的なご意見をいただけると幸いです。