オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

2012年も最終日です。今年は悪いことも良いことも、本当に色々なことがあって、一言ではまとめられない年でありました。
ただ、中でもヒメドロ師匠が亡くなられたというのは、やっぱりとても大きな出来事でした。師匠の頭の中だけにあった膨大な情報は、未来永劫、世に出ることはありません。一緒にまとめる予定であったいくつかのことも、もはや完成しません。師匠がおられなくなって、師匠がそうであった「他に替えがきかない人材」の重要さがよくわかり、今後の自分はそういうところを目指していきたいと思うようになりました。とりあえずいきなりそういう次元には行けないので、まず私がすべきことは、親切に教えてもらったことを無駄にしないよう、努力し続けていくことのみです。
それから、12月になってようやく、長らく取り組んでいた分類の論文を世に出すことができました。学生時代に九州の淡水魚類相を調べていて出会った名無しのスジシマドジョウたち。これらに名前が無いのを何とかしたいと思って、はじめた研究でした。それらに名前をつけるには、日本産近縁種も全部調べなければいけません。ということでそれ以来8年近く、ポスドク時も就職してからもサイドワークとして日本各地を訪問して、色々な方々の協力を得つつ、標本とデータを積み重ねてきました。初の単著での記載論文としてはテーマが大きすぎて、いくつか修正したい部分も出てきましたが、まずは最低限の目標であった「名前がないスジシマドジョウたちにきちんとした名前をつける」、は達成できて、ほっとしました。
記憶に残る2012年でした。2013年は良いことが中心の年であることを祈っております。それでは皆様良いお年を。

今年ラスト画像は九州スジシマ四天王の皆さん。いつまでもこの地で生きながらえるよう、決して乱獲などせず、暖かく見守っていてあげてください。