オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

こんな記事が出てました「道、カブトムシ売買規制へ…生態系へ影響防ぐ(リンク)」
先駆的で良い試みです。そう、外来種は国外から持ち込まれたものだけを指すわけではないのです。考えたら当たり前ですが、人間が勝手に決めた境界線を問わず、もともとその場所に自然分布しないものはすべて外来種です。日本の場合は島ばかりなので島外から持ち込んだら外来種っていうイメージから入ると馴染みやすいのでは。ただ九州では同じ九州内でも地史がかなり違っていて生物相も違うので、同じ島内だからいいというものでもないです。平たく言うとやはりその場所に自然分布しないものはすべて外来種ということです。なお環境省の「外来生物法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について(リンク)」に出ていますが「国内由来の外来種」という用語が適切だそうです。
九州の国内由来の外来淡水魚でもっとも厄介そうなのは?というとやはりハスでしょうか。ハスは特に筑後川矢部川の漁師さんにはアユやオイカワを食べるということでかなり問題視されています。ただ以前に調べてみたところ矢部川水系のハスはニッポンバラタナゴ、カネヒラなどをはじめ、ハイイロゲンゴロウやヌマガエルまで食べていることがわかりました。ハスは故郷である琵琶湖では主にアユを食べているということですが、移入先では食べやすいものから食べる、というのはマングースを例に出すまでもなく常識ですね。入った後を予測するのは難しいので入らないようにする、そういう意味でもこの北海道の取り組みは評価されるべきです。
こと日本では生態系に対する意識が低すぎますので、これ何でいけないのか、という問題提起をカブトムシから引き起こすという点で、良い効果があるのではないでしょうか。
ハス胃内容物論文タイトル↓ダウンロードこちら→(PDF)
Kurita Y., Nakajima J., Kaneto J., Onikura N. (2008) Analysis of the gut contents of the internal exotic fish species Opsariichthys uncirostris uncirostris in the Futatsugawa River, Kyuhsu Island, Japan. Jouranal of the Faculty of Agriculture Kyushu University, 53: 429-433.

これは遠賀川の7月のハス。かっこいいっちゃかっこいいですけど。イクナイ!