オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日は調査の過程で思わぬところに思わぬ良い場所を発見して驚きました。

左岸(写真では向かって右側)が石組みです。普通こんな川は瞬く間に三面コンクリート水路と化すのですが、あらゆる偶然が積み重なってこんな風景が残っているのでしょう。ざっと見ていくとコンクリ改修は部分的には行なわれており、少しずつバラバラと行なわれたつぎはぎ改修が結果としてよかったと思われました。

良い場所にはやはり良い生物が。環境省レッドリスト絶滅危惧IB類のカゼトゲタナゴです。こちらは雄。

そして、雌。非繁殖期なので両方とも地味。繁殖期の雄は鮮やかなんですが、この時期は尻鰭や眼などにちょっと色が出ているくらいです。雌のほうも長い産卵管は見えず、わずかにその先端が見えているだけです。
非常に危うい状況と思います。公共事業費が増大しているなか、水田の持ち主が水路をきれいにしてくれ、と一言言えば予算化して三面コンクリ水路にするのはそれほど難しくないでしょう。何とかならないものでしょうか。最近は良い場所を見つけても何だかその先のことを考えると気が重くて、素直に感動できなくなりつつあります。
こんなニュースも出ていました→「希少ドジョウ 消えゆく楽園 佐賀市鍋島町 来年度にも農地整備 専門家「生息地残してリンク
問題意識をもって知恵を出しあってなんとかしてほしいと祈るばかり・・。風景はひょっとしたら元に戻せるかもしれませんが、生き物は絶滅してしまったら元に戻せないのですよ。