オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Suzuki, T., Kitano, T., Tojo, K (2014) Contrasting genetic structure of closely related giant water bugs: Phylogeography of Appasus japonicus and Appasus major (Insecta: Heteroptera, Belostomatidae). Molecular Phylogenetics and Evolution, 72: 7-16.
コオイムシとオオコオイムシの系統地理学的研究。サンプリングも細かく妥当で、大変興味深い論文です。そして図がきれい。結果を見るとコオイムシでは遺伝的に3つの集団が存在しますが、オオコオイムシでは4つの集団が認められます。そしてコオイムシでは九州から山陰の集団が、本州の集団よりも大陸の集団に近いことが示されています。これはおそらくこの2種の生態的な違い、主に飛翔能力や習性の差に起因するものと考えられます。色々と妄想が膨らみます。一見するとよく似た2種でたまに同じ場所にいたりもしますが、そのたどってきた道はずいぶんと異なるのでしょう。