オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

今日はオフでしたが某所で行われたマコモちまきをつくる行事に参加してきました。

材料の葉っぱ類です。マコモちまきは主に西日本でつくられていた文化だそうですが、F岡県でも筑後地域ではちまきと言えばマコモちまきだったそうです。ちまきはヨシの葉にくるみ、さらにそれをマコモでくるんで、イグサで縛ってつくるので、なんとすべて湿地帯植物!筑後平野の水路地帯では無尽蔵にある植物資源をうまく活用したちまきと言えます。

伝統的にクチナシ色素で一本の線を引く決まりとか。理由の詳細は不明ですがこの地域ではずっとそうしていたとのこと。

ちまきをヨシの葉でくるんだ状態。この上からマコモの葉でくるんでイグサで縛ります。その状態で蒸すこともあったようですが、今回は全体を作ってから塩水で茹でるという方法で作りました。

完成形。しかしこの形、大変美しくよくできているのですが、難しかったです。チマキはヨシの葉でくるまないとくっついてしまって取れず、またマコモにくるまないと痛むとか。確かにヨシの葉はつるつるでマコモはざらざらでその違いは明瞭でした。そして、マコモに防腐効果があるとされていることはよく知られています。よくできています。

このように5×5で一房10個のちまきをきれいに一つにまとめ、茹でました。これを神棚にぶら下げて保存しておき、適宜食べていたそうです。すぐに固くなるらしいのですが、茹でると軟らかくなり、一ヶ月くらいは普通に持つとのことでした。これもまた洗練された美しい形。

美味しかったです。湿地帯の良い香りをほのかに感じました。日が立つとより良い風味になるとか。
しかし近年ではちまきを巻くのに適した大きな葉っぱのヨシやマコモをたくさん入手するのが難しく、作り難くなっているようです。ヨシやマコモ自体は普通種ですので今でも普通にみられますが、かつてあったような大群落は確かに水路や河川の改修によってほとんどなくなってしまったのでしょう。生物多様性の価値の一つとして地域固有の文化を提供する、というものがありますが、まさにこれなどは生物多様性が劣化していくと文化も失われてしまう、という良い事例なのかもしれません。。