オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

論文

Waku, D., Segawa, T., Yonezawa, T., Akiyoshi, A., Ishige, T., Ueda, M., Ogawa, H., Sasaki, H., Ando, M., Kohno, N., Sasaki, T. (2016) Evaluating the phylogenetic status of the extinct Japanese otter on the basis of mitochondrial genome analysis. PLoS ONE, 11: e0149341. (リンク
絶滅したニホンカワウソの遺伝的特徴を調べた論文が出ていました。日本産として神奈川、高知、愛媛で捕獲された古い標本から塩基配列を決定することに成功し、大陸各地のものと比較を行っています。
その結果、神奈川のはなぜか大陸のと同じでしたが(大陸から何らかの目的で輸入されていた個体が逃げ出したものだったのかもしれません)、高知と愛媛のものは独自のクラスターを形成しました。このことはニホンカワウソが独自の遺伝的特徴をもった固有集団であったことを示唆し、やはり分類学的に区別すべきものであった可能性を示すものです。
それにしても非常に惜しい哺乳類を失ってしまったものです。。まだどこかでひっそりと生き続けていないでしょうか。