オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

日記

カスミサンショウウオの産卵状況の調査に行ってきました。

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ここは数年ぶりに訪れた秘密の湿地帯。最近各地で減っているという情報が入ってきているため、まだいるのか心配です。幸い見た目はあまり変化がありません。

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一つ一つ石をめくっていくと、いました!カスミサンショウウオです。なんとなくオスかなという気がします。カスミサンショウウオは普段は陸地で暮らしていますが、産卵期には水辺に集まってきて水中で産卵します。特にオスは産卵期にはずっと水中にいることが多いように思います。

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こちらはお腹の大きなメスです。これから産卵なのでしょう。

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卵もいくつかみつかりました。これは比較的新しいものと思われます。

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これは別の卵。こちらは発生が進み、少し細長くなって一部が尖っています。

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さらに別の卵ではだいぶ発生が進み、だいぶ幼生の形になっています。一斉に産卵することも多いようですが、今年はあまり気温が下がらなかった上、雨も少なかったので、産卵がばらついたのかもしれません。いずれにしろ、以前とあまり変わらない楽園のように感じました。いつまでもこのままであって欲しいです。

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この湿地にはアカガエル類も産卵しています。ニホンアカガエルヤマアカガエルが両方いる地域なので、どちらかはわかりませんでした。

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これはピカピカの、昨晩あたりに産出された卵塊ではないでしょうか。

これらの真冬~早春に産卵する両生類はかつては身近な湿地帯にいくらでもいた生物と思われますが、水田の近代化による乾田化や、放棄による陸地化などで産卵適地が次々と失われていっています。追い打ちをかけるようにイノシシの激増による湿地帯の荒廃、さらに最近では特定外来生物のアライグマによる食害も問題になっています。解決の難しい問題ばかりで、今後がとても心配です。もし身近にこれらの湿地帯生物の産卵場があるのであれば、ぜひ大事にしてください。