オイカワ丸の湿地帯中毒

湿地帯中毒患者 オイカワ丸の日記です。

今日の魚「チクゼンハゼGymnogobius uchidai」


チクゼンハゼは最大5センチほどの小さなハゼで、北海道から鹿児島県までの干潟に生息しています。九州では環境のよい河口干潟や前浜干潟などで見られますが、どこにでもいる、というほど普通ではありません。福岡市ではじめて見つかったことからチクゼン(=筑前)の名を持ち、種小名のuchidaiは九州大学水産学分野の故・内田恵太郎先生に献名されたものです。そういうことで福岡市に大変に縁のある魚なのですが、筑前地域での知名度はゼロに等しい(涙)!!しかも模式産地である福岡市室見川河口周辺では度重なる調査でも発見出来ませんでした。なんということでしょう。ということでここで紹介しておきます。ほっそりとした体のラインと横縞が特徴で、良くみるとアゴの下には小さなヒゲがあります。繁殖期は真冬で雌は腹が青色になって大変きれいです。食べられるような魚でもなく非常にマイナーですが干潟の多様な生物相の一端はこのような地味ーな生物が担っているのです。

まあでも干潟無脊椎系に比べたらはるかにメジャーでかっこいいですね。